RFC さんの感想・評価

3.7
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

魔術と設定の描写、そして物語を伝えることの限界

原作読破組です。
2期があまりにも中途半端な終わり方だったので、
せめて旧約までは完走してくれと願っていたところ、ついに実現。

２からあまりにも現実の時間が経過しすぎているのと
原作9巻分を２クールに圧縮するというのが
大丈夫なのかと心配もしていますが、とにかく視聴です。

【作品概要】
　今まで水面下で行われていて科学サイドと魔術サイドの激突が
　表だって行われるように。
　2大主人公だった上条当麻と一方通行に加え浜面仕上も加わる。


【作品に対する感想】
禁書はとにかく物語がどう繋がっているのかが非常に解りづらい
作品と思いますので、アニメの方でどううまく
　補完・編集されるか期待していたのですが…。
　中途半端にかいつまんだ結果、さっぱりわからなくなってしまいました。
　
　良いキャラが沢山いるのに
　わからない設定・物語の上を走りまわってる。そんな印象でした。

　いろいろ残念な3期でした。　
　また綺麗に締めず、続きをにおわせる終わり方。
　多少改変してでも綺麗にまとめてほしかったですね。
　最後ににバードウェイやオッレルス、名前だけオティヌスが登場
　してましたが、正直4期はもうやめてあげてという感じですね。
　それなら超電磁砲を頑張ってほしいです。
　
１）物語
　禁書目録は原作にしても大局的な視点が全く語られないまま
　要素要素の話を各巻で書いてくるので、全体として物語が
　どう動いているのか全然わからないんですよね。

　前の巻でこんな話だったのに次の巻で突然場面転換。
　え？結局何だったの？とおいてけぼり。

　以下は原作気読者ゆえの弊害かもしれません。
　
　浜面。本当に何の能力もないレベル0の彼が特殊部隊や
　レベル5を相手に勝利する。その過程や説明が全然ないので
　運が良すぎか、敵が間抜けなのかそんな感想しか持てず。
　必死の分析とぎりぎりの判断で生を勝ち取っていった
　浜面のヒーロー像がうまくかけてなかったように思えます。

　複雑な設定・物語をアニメで伝えることの限界…
　それをすごく感じた作品でした。　

２）作画
　①戦闘シーン
　　スピード感がものすごく残念でした。
　　もっとぐりぐり動いてほしかったですね。
　　同時期にSAO3が放送されていて、比較対象があったことが
　　余計に戦闘が残念に感じる原因でした。

　　あと魔術サイド同士の戦いでは、説明をたくさんつけないと
　　なぜそういう結果になったのか意味不明になってしまうので、
　　よりテンポが悪くなります。
　　ついでに言うと説明されても意味が分からないというのもあります。
　　結果、よくわからないビームの打ち合いになってました。

　　一方通行VSダークマター
　　天草＋上条VSアックア
　　上条+ねーちんVS騎士長+キャーリサ
　　一方通行+風斬VSガブリエル
　　上条VSフィアンマ

　　どれもが想像を下回る映像・演出でした。
　　
　　特にフィアンマがものすごく陳腐に見えて…
　　この辺は原作既読者だから余計に気になるのでしょうか？
　　アニメから入った方はそこまでに気にならなかったですかね？

　②背景
　　ベツレヘムの星はすごかったと思います。

４）音楽
　もともと禁書のノイジーな音楽はあまり好みではないのですが、
　OPは割と良かったと思います。
　井口さんの歌うEDは出番が少ないインデックスの可愛さが
　いっぱい詰まった良EDでした。

５）キャラ
　①上条当麻（主人公1）
　　昔は彼の熱いお説教はかっこいいとか思えてたのですが、
　　だんだん規模が大きくなりすぎて、常軌を逸しているように感じます。
　　彼の行動原理がわからなく（共感できなく）なってきているのも、
　　私の中での禁書の評価が下がっている原因です。

　②一方通行（主人公2）
　　上条が正義のヒーローなら一方通行はダークヒーロー。
　　ラストオーダーを守るために、自分はどんな闇の底でも手を出そうと
　　覚悟を決めた漢。
　　学園都市の最高機密や、科学サイドからは未知の魔術に首を突っ込んだりと
　　まさに獅子奮迅の活躍、そして成長。
　　3期の50％は一方通行のためにあった物語と思ってます。

　③浜面仕上（主人公3）
　　どういう名前だよ！って突っ込んだ、初登場時。
　　一方通行は学園都市の頂点。
　　上条当麻はレベル0ですが魔術・能力に対し絶対防御の幻想殺しを保有。
　　に対して浜面は本当に何もない凡人代表。
　　だからこそ彼が必死に考え、危機を脱し、滝壺を守る姿には
　　心を動かされます。
　　3期の40％は浜面のためにあった物語かなと。
　
　④五和
　　前半のヒロイン。キャラデザ的にお気に入りです。
　　今更ながら何をきっかけに上条当麻に入れ込むようになったのかが
　　わからない娘。途中からヤンデレの気もあるのかと
　　心配なところもありますね。{netabare}一番の見せ場のアックア討伐のシーンが
　　残念な描写で可哀想。{/netabare}


　⑤レッサー
　　謎のしっぽとキャラデザで一部に異様な人気を誇る。
　　上条への異常なアタックはちょっと引くところはありますが、
　　時々ふと見せる達観したところがギャップがあって好感が持てます。

　⑥御坂美琴
　　尺の関係で最もひどい扱いを受けた娘。
　　原作でも割と蚊帳の外（舞台が海外だったから仕方ないんですが）
　　だったのが、{netabare}わずかな活躍のシーンまで削られてしまいました。{/netabare}

　⑦滝壺理后
　　奥手・鈍感なキャラが多く、全然進展がないほかのキャラを差し置いて
　　一気に相思相愛まで進んだ正統派ヒロイン。浜面いわく隠れ巨乳
　　らしいですが、全然隠れてません。まっすぐな思いがとても魅力的。


６）「？」なところ
{netabare}
　①麦野命中精度悪すぎ
　　超電磁砲Sであれほど美琴を苦しめた麦野はどこ行った？
　　一撃必殺の原子崩しを無意味な方向に乱射するのみ。
　　意味がわかりませんでした。

　②暗部編
　　博士…いきなり登場して意味不明な自分語りして瞬殺される…
　　何がしたかったのか意味不明。
　　ただでさえ尺がないんだから削ってエツァリとショチトルの話
　　もっと書いてほしかったなーと残念です。

　③イギリス編
　　原作から気になっていたのですが、王族の名前が変。
　　もろにエリザベスとかキャサリンとか使ってしまうと
　　炎上しそうなのは分かるんですが、それなら全然違う普通の
　　名前で良かったんでは？と思ってしまいます。

　

{/netabare}