takarock さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ヤマノススメ サードシーズンの雑感「だから私は1期が好き」
「ヤマノススメ」でどのシリーズが好きかという問いを投げかけると、
大半の人は、「セカンドシーズン」と答えるでしょう。
1期の5分枠からセカンドシーズンは15分枠に拡大。
キャラの関係性もより深く掘り下げることができますし、
富士山へ挑戦、そして挫折というストーリー性も組み込みやすくなりました。
(ちなみに、極少数派でしょうけど、私は1期の方が好きです)
それを受けての本作(サードシーズン)ですが、
セカンドシーズンよりもさらに深くキャラの関係性を深く掘り下げてきました。
簡潔に言うと、これまで内にこもりがちだったあおいが、
ひなたの庇護下から離れ、外に関係性を築いていくというのが1つのテーマになっています。
このことにひなたは激しく狼狽します。
「私だけのあおいだったのに・・私の知らないあおいの笑顔・・・私の知らないあおい・・」
このような描写からクレイジーサイコレズとかユリノススメとか言われた本作ですが、
こうした事例は特段珍しいものでもなく、
親と子の関係で言ったら、「子離れできない親」の心情がそうでしょうし、
友情関係で言っても、若い時にこうした感情を抱くことはよくあることだと思います。
最終的には「お互い知らないことがあるからこそおもしろい」という
至極真っ当な結論に至るわけですが、彼女たちにとっては大きな成長だったのだと思います。
いや~めでたい、めでたい。
しかし、私がこのシリーズに求めているのはそこじゃあないんです。
「ゆるキャン」ならぬ「ゆる山」なんですよね。
「ゆるキャン」が互いに適度な距離感を保ち、
視聴者にストレスを与えない関係性なのに比べて、
本作は登山の最中もギスギスしてて、全然ゆるくない。
はっきり言って、この作品に求めているのは単純な癒やしです。
例えば難解な作品を視聴した後に、何も考えずに視聴できて、
ほのぼのするというような癒やしを求めているわけです。
キャラの関係性を掘り下げた成長物語、大いに結構です。
しかし、それはストレス要因を取り除いた状況下でも成立する話ですし、
ギスギスを何話も跨いでまですることではないと思います。
このシリーズの立ち位置を少々見失っているのでは?
と言いたくもなりました。
だから私は、無駄なくアウトドアの楽しさを伝えている1期が好きなんです。