シャベール大佐 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
恋愛物が好きな人に受けそうな、日常推理系の時代劇
江戸時代、「出雲屋」という損料屋(古道具のレンタル屋)を義理の姉・お紅とともに営む、清次という青年が主人公の、日常推理物っぽい時代劇。全12話。
出雲屋には「つくもがみ」と化した道具も多くあるという設定。物語は、出雲屋に持ち込まれる様々な騒動を、つくもがみの力も借りながら、清次とお紅が解決していく、みたいな流れ。恋愛風味のある人情系エピソードを1話完結で重ねていき、全体としては清次とお紅の関係も描いています。
個人的には、推理、人情、恋愛、江戸蘊蓄など、いろいろな要素を楽しめて悪くなかったけれど、どれもやや決め手に欠けたかな、という印象。特に恋愛要素については、もう少し盛り上がってもおかしくないのになあ、といった感じで、ちょっと惜しい気がしました。普通に観ていると、恋の行方については、お紅と佐太郎が結ばれる決着はないだろうと想像がつくので、最後どうなるのか?という「ドキドキ感」はありません。ならばいっそ、恋模様を清次の心情からだけでなく、お紅側からも並行して描いたほうが、観ていて「やきもき感」のある、ラブコメ風の楽しい作品になったかもしれません。(まあ、そういう方向性ではないからこそ、この描き方だったのでしょうが)
作画は、あまり時代劇っぽくない色使いでしたが、悪くなかったです。音楽は、OP曲が作品の雰囲気に合っておらず、ちょっと浮いていたように感じました。声は、お紅の小松未可子が良かったです。
最後まで観終わって、それなりに楽しめました。どちらかというと、推理系が好きな人よりも、恋愛物が好きな人に受けそうな作品ですね。