つぶあん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
からくりサーカスの原点・からくりと忍者、狂気と狂喜の物語
この作品は、原作が藤田和日郎の短編漫画作品のOVA作品でした。
(短編集『夜の歌』に収録されています)
時は乱世の戦国時代。とある地方の領主でありながら
急速に力をつけた狩又貞義。
その狩又に滅ぼされた城主の末娘、文渡蘭菊。
蘭菊は狩又城に攻め入るため、伝説の忍「鳶加藤」こと加藤段蔵に助力を
求めるため、段蔵の住処を訪ねる。
しかし、「加藤は死んだ」と狩又の追手・死なずの忍から唯一逃れて
一息付いていた下忍、睚弥三郎告げられる。
そこに狩又の追手が弥三郎に襲い掛かる。
絶体絶命の窮地に陥った弥三郎を凶刃から救ったのは、
蘭菊の行李から伸び出た巨大な刀の切先。
次いで現れたのは、これまた巨大な鎧武者、太郎丸だった。
と、こんな感じで始まる物語。
短編ながらすごくよくできた作品で、
からくりの姫、蘭菊が世間知らずの超天然。
そして弥三郎は、悪びれながらもなんだかんだで善人。
からくりサーカスの原点というのは、
作中、蘭菊のからくり人形を操る様子は、「あるるかん」を操るしろがね
に通じるものがあります。
そして、からくりの技・虎乱は、あるるかんの技と同一なのです。
そして、何よりも
からくりサーカス同様、人間の狂気。
藤田作品独特の魅力だと思います。
一見天然の姫ですが、狩又の城に攻め込む中、表情が変化する様が
印象的です。
からくりサーカスが好きな人なら、機会がればぜひ見てほしい作品ですね。