STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
学べる楽しさも
原作は未読。
コンセプト自体は学習漫画などで昔からあるものだが、その手の作品よりエンターテイメント性が
増し、扱う題材も凝ったものになったため、格段に面白くなり、学べる内容も奥深くなった感じ。
人体に訪れる様々な障害を克服していく話だが、その対処だけでなく、それによって人体に現れる
症状の過程まで判るのが面白かった。
この症状に関して、人間にとっては不快なものだが細菌やウイルスそのものが
引き起こしているのではなく、それらを排除しようとして人体機能が働いた結果であることが
多いのが興味深い。
不快な状況を人体自体が作り出しているのは一種のジレンマを感じたりもするが、この不快な
状態自体が病気になったことのサインにもなっているわけで、一概に必要悪的には
片付けられないところが面白い。
そして、薬によるこうした症状(例えば発熱、くしゃみなど)の抑制は、人体の細菌やウイルス
排除の邪魔をしていることにもなるわけで、なんでもすぐに薬に頼りすぎるのも考え物だなと
改めて思ってしまった。
描かれる障害に関しては、個人的には自身がインフルエンザや熱中症になったり、家族を癌で
亡くしていることもあり、扱われた題材がより興味深かったというのもあった。
ストーリー的には中盤の癌、終盤の失血性ショックといった深刻な状況が山場という感じ。
癌に関しては通常の細胞のコピーミスが原因ということだが、本作を再視聴をすると
癌エピソードで癌細胞として登場する石田 彰細胞が、癌エピソードの前からモブ細胞?として
登場していたのに気が付いた。
あれは正常コピーされた石田 彰細胞だったのか?、それともこの段階から癌細胞であることを
隠して行動していたのか?
薬剤投与、点滴、輸血など、細胞だけで対処できない場合は外部からの対応で解決することが
あった。
これ自体は医療行為ではごく当たり前の光景だが、この展開を他のSFやファンタジーの
バトルものや冒険ものに置き換えると、とんでもないご都合主義的展開になってしまうところが
おかしい。
キャラクターもなかなか魅力的で、可愛かったり、カッコ良かったりするだけでなく、個々の
特徴をよく捉えていたなあと。
2018/10/14
2020/11/14 追記