ももも さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いじめが主題ではない。青春の苦悩を描いた作品
聴覚障害者へのいじめをテーマにした作品と聞いていたので、「嫌な気分になる作品なんだろうなぁ」と思って見るのを躊躇していました。
実際見ていてちょっとむず痒いといいますか、それに近いような感覚で見るのがきついシーンもあったのですが、それをひっくり返すほどの視聴後感がある良作だと思います。
{netabare}
いじめの過去は物語の軸になりますが、起承転結の「起」に過ぎません。
いじめの主犯(?)とされた少年、石田将也が一転していじめられる側になり、小学校時代のそのシーンはおそらくあえてでしょう、かなりテンポよく進んでいきます。
その後高校生になり、いじめは過ぎ去ったものの(当然の報いとして)人間不信に苦悩する少年が泥の底で藻掻く様が、この作品のメインストーリーとなります。
障害者でありヒロインの硝子はどこまでも「良い子」であり、むしろいじめグループ側の人間を掘り下げることで物語は深度を増していきます。
将也が一歩前に進んだところで「青春の苦悩」に一筋の光が見え、映画もまた終りを迎えます。
主題としてそれはわかるのですが、単純にストーリーとして、焼きそば売ってたあいつはどうなるんだよ、みたいな枝葉部分が気になってしまいましたw
{/netabare}