鰺鱒 さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
もう少しやりようがあった気がする。
アニメのみ。原作知らず。
なんというか、惜しい感。
某配信サイトのお薦めで発見。サイドカーレーシングのことを何故だか知っていたので、その繋がりの興味本位で視聴開始(なぜ知っていたのか思い出せない。N○Kの番組か何かだろうか?)。
全体としては、レースにかける女子高校生の青春群像劇というところ。
ニーラー(レース用サイドカー)に乗車するペア(ドライバーとパッセンジャー)という、互いに互いの命を預け合う関係性というのは、題材としてはおもしろいように感じた。が、女子高校生の部活で成り立つような軽いものでもないと思う。某戦車道のような不思議安全設定などはなく、ミスったら簡単に命を落とす状況下でレースしている。おいやめろって言いたくなる(ミスったら「死ぬ」を平気な顔で口にしている)。劇中でも3組のべ4回のアクシデントを起こし、あまつさえ主役ペアには怪我をさせ、それを物語の展開に使う始末。正直、こういうお話しの作り方は好きではない。
主役二人の関係性がありきたり(通底しているけど表面上は険悪)で、かつ、演出上うるさいのが見ていて苦痛だった。さらには、二人が仲違いをしていた理由( {netabare}以前いたコーチに二人とも恋をし、恋敵となった {/netabare})をせっかく乗り越えて互いの絆を深められたと思ったら、それを白紙に戻す( {netabare}そのコーチが他の女性と婚約し、同時に失恋したことで互いに吹っ切れたのに、そのコーチが主役ペアの目の前で婚約破棄される {/netabare})というお話しのまとめ方は最悪だと思う。せっかくの成長をリセットするとは。
最後のレース展開も、、、最下位独走の主役ペアが奇跡の復活を経て、降雨による追い抜き禁止で追いついて、追い抜き禁止あけの間隙を縫ってトップに迫るって。。。まぁ、実際のレースではよくあることだけどもそういうのが最後の局面で起きるレースのどっちらけ感、分からんわけじゃなかろう。。。そこに至るまでのお話しで、主役ペアを絶対応援したくなる存在として描かれていないわけで。
主役ペアがフォーカスされない、ライバルチームの深掘りエピソード(鈴鹿女学園、筑波女子、茂木の双子)は良かった。筑波の二人の関係性の変化にはニヤリとしてしまった。レーサーじゃないけど、実況・解説の二人のエピソードもそれ自体は良かった。ただ、主役二人のペアを含めて7組登場するうち、お話しの主軸となる主役ペア含めて4組しか深掘りされず(要するに上記で全部)、青春群像劇としては中途半端。要所要所ギャグ・オチを担当した宝塚ペアはまだしも、ゴスロリレーサー(マシン名:可憐なる煉獄の斬劇)なんてどうにでも使いようがあったと思うのだが、劇中は完全な空気だった。
そんな中途半端な群像劇の中に、サイドカーレーシングの特徴や難しさ、ドライバーとパッセンジャーの技術面での関係性をほどよく展開できていた点は良かったと思う。しかし、これも「もっとできたんじゃないだろうか」感がぬぐえない。「何故だか知っていた」以上のものは出てこなかったし。。(本当になんで知っていたんだろう。海外のドキュメンタリーかな。謎だ)。
結果として、どっち方面を向いても中途半端。「ああ惜しいなあ」という印象でした。