たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
スタンドの本質とは「生命力」である。
ジョジョの奇妙な冒険は現在第8部まで連載されており、今年で31年にも及ぶ長寿漫画の一つであるが、国内外の人気が昨今最高潮なのでなんと第4部だけでなく第5部まで映像化されることとなった。
第5部はジョジョのシリーズで最も難解でわかりにくく、それこそマニアにしか理解できないほど入り組んだ内容なのだが、それをシンプルで分かりやすく映像化できているのは非常に作品を理解しているからだと思う。
作画も実は第1部から軒並み向上しており、荒木飛呂彦の当時のデザインを年代を追うようにして再現しており、上手くなっている。カメラアングルやデザインにしてもきちんと理解できるように構成されているのも非常にうまい演出だ。
この調子でラストまで描けることができれば、アニメ史に残る名作になれるかもしれない。
全話視聴:荒木飛呂彦が語るには「ジョジョの奇妙な冒険」とは「人間賛歌」であり、「生命力」である。というのがダ・ヴィンチでのインタビューで載っていたことを覚えている。基本的にはミケランジェロなどの「初期ギリシャ哲学」からくるイタリア「ルネッサンス」から影響を受けていることもあり、「神」などの超常的なパワーよりも人間が持つ「信頼」や「絆」がこそが真の強さであるという、いかにも「努力」「友情」「勝利」の三本柱を謳っていた少年ジャンプらしい漫画だと思う。
第五部はイタリアを舞台にした「ギャングもの。マフィアもの。」ではあるが、ストーリーの主軸はハリウッド映画に代表される「ゴッドファーザー」や「ワンスアポナタイムインアメリカ」「チャイナタウン」「フレンチコネクション」「グッドフェローズ」などのクラシックな映画からの引用が主立っている。
最近の少年ジャンプにはこういった力強い作品は少なくなってしまい、ダークファンタジーが流行ってからは人間不信が強くなっているが、本来はこういう力強く「生きることに臆しない姿」こそ、人にとって重要なのである。
しかし、アニメよりはやはり原作派であり、原作が面白いからこそのアニメ化だと思うので、それ以上のパワーは感じられないのは非常に残念ではある。これは漫画原作の宿命であり、やはり漫画とアニメは単体で評価されるべきなのかもしれない。