bk958 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
アニメーションだけでも見る価値あり
高校の女子バドミントンをアツく描いた作品。ストーリーは「部活もの少年漫画」の王道を女性キャラに持ち込んだ形ですが、メンヘラなアクの強いキャラクターたちが特徴的。
絵柄は爽やかっぽいけど才能と努力の話にも真っ向から突っ込むのでシリアス寄りで、一筋縄ではいかないストーリーが展開します。
原作改編として叩かれている部分もありますが、ぼんやりした印象の原作序盤よりもテーマが明確。渚と綾乃の地方大会決勝の最終話から逆算して上手く再構成しています。
綾乃と渚の再会方法とか、アニメの方が最適解に近いと思いますし、原作も同じところまで読み進めるならアニメの方がわかりやすいです。
綾乃主人公なのに……という声もありますが、原作でも地方大会までは、格下に滅法強い綾乃は才能の壁としての役割が大きくて、敗者側の戦いが裏テーマ的に描かれていきます。なので、綾乃を主人公と見るよりも、渚を主人公に見た方がすっきりします。
原作では逗子総合の石澤とコーチの話とか、アニメ未登場の橋詰とダブルスのペアの話とか、敗者側の良いエピソードはあるんだけど、12話では描き切れないとの判断なのか、そこらへんは悠ちゃんとか、葉山とかで補完しています。
そのほか、キャラ改変は結構強めなので、原作のキャラが好きな方にはおそらく不評。原作はジャンプのラブコメ三国時代で『ニセコイ』とラブコメ枠を争った『パジャマな彼女』の作者さんなので、キャラの可愛さには定評があります。原作コニーはメチャクチャかわいいです。
アニメーションは誰が見ても素晴らしい出来。見せ場のシーンは実際の動きをトレースするロトスコープで、緊迫したバドミントンの試合の再現度高し。
演出やカット割りを挟まず、全体を俯瞰するように映し、シューズとシャトルの音だけが響きわたるのは、さながらスポーツ中継のようで、嘘やはったりのないリアリティへのこだわりが感じられます。
アニメーションとしてのアニメが好きな方は、アクション作画だけでも楽しめると思うし、原作読んでない方はアニメ→原作で2度おいしいのでおすすめです。