えりりん908 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一度限りの青春をかける10人に、風は。
箱根駅伝への初出場を目指す10人(うち7人が陸上素人)が、
ひとりひとり個性的で。
現実にはあり得ない無謀なチャレンジなんだけど、
描写が丁寧でしっかりしてるから
すごくリアルな陸上部ストーリーとして共感してしまいます。
ハイジさんの爽やかなのに狡猾な誘いにのって
駅伝を目指すことになるメンバーの描かれ方が巧みです。
高校時代に一流選手だったのに、
性格と行動が災いして競技から離れていたカケル君と、普通の人より運動が苦手な王子の
反目と衝突と、理解し会おうと努力する姿、
感無量な瞬間がたびたび訪れます。
1クール目では、自分ひとりの記録にこだわるあまり、
チームではNo.1なんだけど、スランプで悩んでたカケル君が、
記録会でついにスランプ脱出して好記録?!ってときに、
自分の記録にこだわるのでなく、脚をとめて、遅くしか走れない王子に付き添って励まそうとするシーン、ハイジさんがストップウォッチをギュッと握りしめて見守る描写!
うるうるがとまりませんでした!
王子がなんだか時々、スゴくカッコよくて素敵です。
毎回どんどん、気持ちが熱くなってきます!
2クール目に入って、
いよいよ予選会!
カケル君の驚異的な走りも、
ハイジさんの快走もすごくよかったけど、
予選通過できるかどうかのキーマンが、チームでいちばん遅い王子の記録。
ゴールの瞬間は描かれなくて、
直後に倒れて係の人二人がかりで救護テントに運ばれる場面になるんですけど、そこに、はなちゃんが
「200位切ってます!100番台ですよ!」と叫びかけるのに反応して、
ほんのわずかだけ、口の端で笑うんです!
カッコいい!!!!
箱根の本番が、始まりました!
1区の王子、やっぱり素敵でした。
ハイジが「済まなかった」と言ったのを、
「う~ん・・・ 違うんだよなぁ」からの流れで、
鶴見中継所に到達して、ハイジの
「あのときの言葉は取り消す。ありがとう!」に、
死にそうなほどに喘ぎながらの「合格」・・・
最高。。。
もう、君は立派なアスリートだよ(T-T)
ところで、
マラソン中継とかで、故障で遅れながら走る選手を美化するの、
私、大っ嫌いです。
だけど、駅伝は、タスキをつながなければならないから。
5区の神童の失速。それでも貫いた、完走。
頂点は優勝することだけじゃない。
待っている次のランナーにタスキをつなぐ。
そして次の年の選手に、
その意志と誇りをつないでいく。
そういうことでもあるんじゃないかな。
そう思いました。
そしてその神童の苦渋の走りから、
タスキをつないでいく、
ユキさんとニコチャン先輩とキングの心象風景が素晴らしかった。
9区で、カケルは、もうまるで神憑りで、
ひとり。ゾーンの中駆け抜けて行って。
そして、ついに最終回。
走るって何なのか。
頂点はどこにあるのか。
感無量の全23話でした。
原作とはちょっと違うアフターストーリーも、
素敵でした!!