イムラ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
夕暮れの雰囲気
<2018/10/8初投稿>
原作は回収騒ぎ直前のとこまで既読
もともとかなり好きな作品で、今期「あそびあそばせは」と並んで期待のアニメでした。
舞台は1990年代初頭から始まります。
主人公ハルオは1980年ごろ生まれのゲームバカの小学生。
勉強も運動も何もかもダメだけどゲームに対する熱い思いだけは誰にも負けないと自負してます。
当時のゲーセンというのはガラが悪く、小学校はおろか中学でも学校から「行ってはいけない場所」とされてました。
薄暗くタバコの煙のこもるゲーセンは疲れたサラリーマンやゲーム中毒の学生、ヤンキーの溜まり場。
ハルオの日常は、学校の目を盗んでゲーセンに通い詰めひたすら格ゲーを始めとするあらゆるゲームの腕を磨く毎日でした。
そんなハルオはある日ゲーセンの格ゲー対戦で大人たちをなぎ倒し無双する一人の少女と出会います。
それは同級生の大野晶(あきら)。
お金持ちで学業優秀、美人で人を寄せ付けない雰囲気の、クラスの高嶺の花。
同じクラスながらハルオはそれまで住む世界の違う晶と喋ったことなどありません。
そんな晶がなぜ・・・
というのがあらすじ。
というわけで絵柄からマニアックなゲームネタからかなり個性的な本作品ですが、まず面食らうのがヒロイン晶の無口っぷり。
無口どころかまともな日本語は全く喋らない。
どんなシチュエーションであっても。
声を出す時は「ムフー」とか「フガー」とかだけ。
モノローグもゼロ。
徹底してます。
そしてハルオはなぜかそんな晶と普通にコミュニケーション取れます。
その時々の雰囲気や仕草、表情から読み取る。
ハルオはエスパーか?
なので晶の心情は結果的にハルオが代弁していきます。
そんなエスパーなハルオは実はメンタル・イケメンですね。
ガサツで無神経そうに見えてナチュラルに優しい。
そんなハルオと謎めいた晶のちょっと笑えてちょっとせつないお話です。
作者の押切蓮介さんはいわゆるストーリーテラー系。
物語の紡ぎ方が秀逸です。
何気ないストーリーなのに深く心に沁みてくる。
夕暮れの雰囲気が常につきまとうその空気感は他の作家さんにはなかなか醸し出せない、押切先生独自のものです。
時折挟み込まれる細かい笑いも好み。
ハルオママと晶のお付きの爺は出てくるたびに小ボケ挟んできます。
ぱっと見はゲーム系ですが、本質はそこではなく。
小学生〜高校生の頃の、ちょっとした風景でも忘れられなくなるような、一生忘れられなくなるようなあの感覚を思い起こさせてくれる情緒あふれるラブストーリーです。
あの時代のゲームなんて知らんという方も、
こんな絵柄嫌だという方も
数話見るとハマってしまうかもしれません。。
ところで。
12話で完結せず、完結編の13〜15話はネット配信、OADでとのこと。
OAD買おうかな。
でもあと3話でうまく着地できるんだろうか?
ちょっと不安だ。。
<2019/10/7 追記>
13話視聴しました。
やっぱこの作品好きですねえ。
もうすぐ始まる二期も待ち遠しい。
不安感無くなったので評点UP٩( 'ω' )و
<2019/10/19 追記>
最終15話まで観ました。
最後のシーン良かったですね。
表情が素晴らしい。
深くじんわりしました。
あらためて漫画やアニメで表情って大事ですよね。
型にはまったような作り付けの表情ではなく、「生きた表情」がたまにでも出てくれるとそれだけで嬉しいもんです。
さらに。
普通、三角関係になったりするとどちらかを応援しがちなもんですが。
ドラクエVで言えば「ビアンカか?フローラか?」
マクロスFで言えば「シェリルか?ランカか?」
明治で言えば「きのこか?たけのこか?」
※私は「ビアンカ-シェリル-たけのこ」派です。
ところが本作。
ついついどちらも応援してしまう自分がいます。
そう言うところもこの作品の良いところ。
次週からはいよいよの二期が楽しみです!
<2019/12/21 追記>
そういえば杉田智和、中村悠一のコンビが小中の先生役で出てましたね。
東京エンカウントとのつながりを疑わずにはいられない 笑