Tnguc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
近道をしなくなったのはいつからだろう?
~
車もないし電柱もないし何もない。まるで縄文時代の人の営み。そこで楽しく笑いあって生きているのは、二足歩行のラッコやシマリスやアライグマなどの動物たち。彼らの生活レベルは原始的なのにそれを羨ましく思えるのは、現代社会にはない自由が描かれているからだと思う。それを強く代弁したED曲が秀逸。本来、生物が当たり前に持っていた権利だ。いつからか近道という冒険に挑戦することはなくなりナビのルートを辿るだけの平凡な毎日を送る社会人にとってそこは桃源郷のように見えたはず。笑いどころは暴力のみでバイオレンスが寄り添って同居しているディスコミュニケーションは法に縛られない者達の解放的な世界だ。無垢なる動物たちの好奇心は哲学と紙一重であり、子どもだったあの頃を思い返してくれるタイムカプセルである。放牧的なメロディーに誘われて覗き見た動物たちの世界は、無邪気に遊んでいた若かりし日々と重なり合い、懐かしいアルバムを開いたときのような感傷をこの作品は面白おかしく映し出してくれる。
個人的評価:★★★★☆(4.0点)