野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
バキとSペックと私
第一話において非常にインパクトのある登場をしてくれた死刑囚5人。
その中でも見た目の怖さとサイコパスさでは断トツの存在感を示していたのが我らがスペックさんだった。
当初、私は彼こそがこの死刑囚編におけるラスボスに違いないと確信に近いものを感じていた。
主人公バキに「親父そっくりだ><;」とまで言わせた彼に期待するなというほぅが無理なのである。
そんな彼だが日本上陸後も概ね期待通りの働きを見せてくれるのだがある日そんな彼の存在のやばさに疑念を抱かせるような出来事が起こってしまう。
それは主人公バキと彼女が公園でイチャイチャしてるというクソどうでもいいシーンで起こった。
そこを狙うために颯爽と現れた我らがスペック。
当然お楽しみの時間を邪魔されたくないバキは彼女にキスをしながらスペックを睨み付ける。
睨まれたスペックは事も有ろうに「ヒイッ><;」等という情けないリアクションをしてしまう。
これが「キャッ☆」とかならなんとなく余裕を感じるリアクションでまだ好ましかったのだが「ヒイッ><;」ってあんた・・。
完全に敗北者のソレである。
この辺りから「あれ・・スペックてもしかして・・」という思いが芽生え始めてしまうのだ。
第一話での期待値を100とするならその数値が90に下がった瞬間である。
ちなみにこの彼女。
作中ではまだまともな見た目だと思うのだが、どこをどう間違ったのかEDに登場する彼女はかなり酷いことになっている。
もしギャルゲかなにかに登場したなら正拳突きでディスプレイクラッシャーしてしまいそうだ。
さてそんなスペックだがバキに攻撃を仕掛けようとした瞬間、何故か突然現れた花山にそのまま拉致られ煙のようにその場から消え去ってしまう。
先に断っておくと私は花山というキャラ自体は好きなのだ。
それでもこの時点ではまさか花山に少々苦戦しても敗北することなどあり得ないと。そう信じていたのだ。
ところがすでにご存知の通りその期待を大きく裏切る結果となってしまう。
スペックの必殺技は5分間の無呼吸連打。
それを耐えた花山はなんと一撃でスペックを吹き飛ばし戦況をひっくり返してしまうのだ。
そこまではまぁいい。想定内だ。
花山にも見せ場はあって当然だ。
そう思いながらも一抹の不安が頭から離れようとしない。
その後「まだやるかい」とゾンビのように迫ってくる花山に完全にびびりまくるスペック。
そして案の定一撃KOされたことで不安は的中してしまう。
その後も警察署内で目覚めたスペックが再度花山を襲うもののほとんど底が見えてしまった彼にかつて感じた言いようの無い恐怖感のようなものはもはや感じない。
このスペックの敗北により90あった期待値もこの時点で40くらいに減ってしまった。
例えばエビフライ定食頼んでエビフライだけ他人に食われたような。そんなガックリ感。
花山対スペックが死刑囚編におけるベストバウトだという意見も多くそれには私も同意するがソレは他の死刑囚4人の戦いが余りにしょぼいことによる消去法的なものという部分も決して小さくはないだろう。
少なくともラスボスだと思い込んでた彼が真っ先に消えたことによる衝撃は私の中では大きかった。
ドリアンはともかく他の死刑囚はまだ健在なんで詳細は伏せるが他の連中の末路を見る限りもしかしたらスペックは最も恵まれていたのかもしれない。
そう思わせるほどにスペック戦以降の展開はどんどんおかしな方向に行ってしまう。
四字熟語で表すならまさに絵に描いたような竜頭蛇尾。
いや蛇尾というには蛇に失礼なくらいしょーもない展開だったと記憶している。
それでもドイルに関してはイベント的には他の連中より厚遇されており某ロシアの死刑囚との扱いの差が泣ける。
ちなみに原作ではこの死刑囚編の合間にバキsagaとかいう丸々一巻をバキと彼女の大人の運動に費やしたウソのような作品もあるが正直その労力を死刑囚編に注いでもうちょいなんとかしろよと思ってしまった当時の私。
あれからバキも原始人だの宮本武蔵(笑)だのわけの分からない力士だのが敵として登場することになるのだが
私が見る限りこの死刑囚5人のほうがキャラ的魅力は数段上だったと思っている。
だが死刑囚編における全盛期があるとすればソレは最初の死刑囚紹介であってそれ以降はそこで得た貯金を段々切り崩しながら
そして最後らへんは借金までしてなんとか終わらせたような。そんな印象を受ける。
これほど魅力のある5人を出しておきながらこの展開は余りに勿体無い。
そう思ってしまうのは果たして私だけだろうか。
当初死刑囚5人を見た時のワクワク感から完全に斜め下に展開してしまった死刑囚編。
第一話でセーブされた時間軸にロードしてそこから全く新しい死刑囚編が見たいと思ってしまうのは罪なことなのだろうか。