こまたち さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ファンディスクとしての価値はある(逆説的にそれ以外の価値は…)
2018年放送の野球アニメ
全25話
時代を席巻したアニメ『MAJOR』の続編作品にあたる本作。かく言う私もメジャー世代の一人なので、前評価としてはかなり期待していました。
視聴後の雑感としては「残念」のヒトコト。しかし初代メジャーファンへのアンサー作品としては一定の評価ができる。
シナリオについて…
・構成がダメなのか原作がダメなのかは知らないがとっても安っぽい。メジャー特有の泥くささは何処へ?初代メジャーはご都合主義展開とそれと相反する俺TUEEEの限界をバランス良く描写していたので、その現実味にスポコン精神や作品の味としての(良い意味での)泥臭さを感じていました。では本作はどうであったか?答えましょう、”ご都合主義そのもの”です。物語には起承転結という概念が含まれていることが常ですが、本作は物語の肝である”転”を消失しています。つまりは物語の面白さにずっと起伏がないのです。日常アニメならこれで良いのですが、私がメジャーに期待しているのはそういうものじゃない。
・全体的にチープなシナリオではありますが、特に酷かったのはヒカルのケガの後日譚。フローチャートで見るととてもちんけで笑えますよ。流れとしては、”全身麻痺の重症でした⇒実は上半身は動かせるようになってました⇒実は下半身も動かせました⇒「大吾君、野球やめんなよ!」”……、はっ?展開も酷いのだけれど、これを1、2話でやっちゃうあたり本当におそまつ。この妙なシリアス絶対にいらなかったのだけれども。
作品コンセプトについて…
・『MEJOR』の息子世代が主役の本作。二世タレント特有の悩み、葛藤を野球に絡めて描き出す発想は悪くない。問題はそこへのメスを中途半端にしか入れなかったこと。並行して、初代メジャーのシーン再現や心絵をラストEDに起用するなど、シリーズファンへのお楽しみを用意してくれたことについてはかなり評価できる。冒頭でも申し上げたが、ファンディスクとしては上等であったと思います。
キャラクターについて…
・「魅力がない」、この一言に尽きます。唯一共感できるのが主人公の大吾であったのは作品としては救いかも。ただシナリオが足を引っ張っている感が否めず、その魅力も正当に評価しづらい。
以上。
原作はこのあとも続いているみたいですが、
本作のようなクオリティならアニメ化はどうか思いとどまって頂きたい。