うにおいくら さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
可哀相過ぎるご当地系アニメ
久しぶりに最初からぶっ飛んだアニメだった。
何故か佐賀県を盛り上げるためにゾンビがユニットを組むという話。
制作はMAPP。
MAPPA、エイベックス・ピクチャーズ、Cygames共同企画によるアニメ。
同じクールに同じ九州で同じご当地アニメが長崎で『色づく世界の明日から』という魔法使いが未来からやって来るというファンタジーなのに佐賀はゾンビだ!!
同じ九州でこの差はなんだ!! 恐るべきはこれを許した佐賀県。
長崎には未来から魔法使いがタイムトラベルでやってくるが、こちらは100年以上前の花魁がゾンビとなって復活してくる……どうだ!!
「博多豚骨ラーメンズ」で「博多市民の何割かは殺し屋」とかいうバカバカしい設定に笑ったが、これはそれを上回る。ゾンビがアイドルユニットだぞ!
九州は侮れない!!
はっきり言って「ゾンビ」と「佐賀」で全く期待していなかったが、見て驚いた。
笑った。そしてまさおに泣かされるとは思わなかった。
テンポも良い。強引な話の流れも気にならない。なんせゾンビがアイドルとしてユニットを組むという設定時点でそんなものはぶっ飛んでいる。
しかし何と言ってもこのアニメでぶっ飛んでいるのは宮野真守だろう。
春のクールで『銀河英雄伝説』においてラインハルト・ローエングラムなんて、不釣り合いな役をやって顰蹙を買っていたが、ここにきて宮野真守の真骨頂が発揮されまくっていた。
シュタインズ・ゲート、オーバー・ロードを超えたと言っても過言ではない。いや、鳳凰院 凶真とは違った味を出していた。
宮野真守は佐賀弁が似合う。
ヒロインの主人公源 さくらは声優になるため大学を中退した本渡楓。
2018年は主役級を3本以上演じて絶好調。
病み上がりの種田梨沙は水野 愛役で熱唱していた。
とても病み上がりとは思えないいい声だ。このまま元気でいて欲しい声優。
紺野 純子役の河瀬茉希の歌唱力はなかなかなもの。
ゾンビと言ってもアイドルユニットなので歌も歌う訳なのだが、この紺野純子という役は昭和のトップアイドル。それなりの歌唱力を必要とされる時代のアイドルなのだが、彼女の歌声はそれを見事に表現していた。
この昭和のアイドルぽい「毎日腹式呼吸で発声練習してますよ」みたいな声を見事に出していた。
これからも期待したい声優。
しかしこの声優陣の中で特筆すべきは「伝説の山田たえ」役の三石琴乃だろう。
なんでこの役が彼女なんだ? ほとんど叫び声とうなり声とコケコッコーだけしか発していない。
しかし奇声縛りの中で感情を表現できる声優はと言えば、やパリ大御所の登場を願うしかなかったのだろう。
他の声優はエンディングに名前が出ていたが、山田たえ…三石琴乃 のクレジットが出たのは3話からだった。
隠した時点で大物が出てくる予感はあったが、三石琴乃とは思わなかった。
「サービィス、サービス」ぐらい言っても良かったのではないかとも思うが……。
兎に角期待を裏切る面白さだった。
オジサンでも十分楽しめる内容だと思う。
続編は期待したいが、ネタが続くのかが疑問。