STONE さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
次につなぐための生存戦略?
原作は未読。
歴史もの、戦記ものではあるが対馬に限定したものであるため、スケール感を感じることはなく、
逆に閉鎖的環境における絶望的な状況による緊張感を感じることができた。
攻撃を受けたある地域を部外者が守るという図式は「七人の侍」などに連なる系譜という感じで、
この形式の作品は元からいる者と部外者が同じ目的を持つことで次第に打ち解けていく過程が
描かれることが多いが、本作はその辺もよく描かれていたと思う。
対馬の攻防に関しては、対馬側が多少挽回するような展開があっても、すぐに次の危機的状況が
訪れるという感じで、常に絶望感が漂っている感じ。
それでも援軍が来るまでの七日間持ちこたえるというタイムトライアル要素が一種の希望として
残っていたが、この援軍が来なかった時は絶望感のピークといった印象。
結果に関しては元寇における対馬の運命などは史実により判っているため、関心は各キャラの
行く末などにあり、そういう点では一種のサバイバルもののような感もあった。
結果はかなり悲惨なものであったが、いずれも生きるための戦いというのが
よく表現されていたように思える。
キャラに関してはやはり主役である朽井 迅三郎が鎌倉武士らしい野性的な魅力に溢れていた。
この朽井だけに限らず、本作に登場する武士は同じ武士でも時代が下った江戸時代のそれと
較べて、かなり殺伐したものを感じる。
メインヒロインである輝日姫もその判りやすいツンデレ具合が可愛い。毎夜、迅三郎の寝込みを
訪れるのは笑ってしまったが、輝日姫の心情的にも視聴者的にも、悲惨な状況ゆえに「これぐらいの
楽しさがないと」といった感じになる。
肝心の戦は日本、元それぞれの特性が表れていてなかなか面白かったが、戦闘作画は迫力不足。
作画と言えば、時折画面に変なフィルターが掛かっていたが、あれは絵巻もののような伝承を
描いている風にしたかったのだろうか?。
あとリアル寄りな描写を期待していただけに、元軍側の仮面の男のジャンプや鬼剛丸の怪力など
人間離れした能力はやや残念。
2018/10/06
2018/10/09 誤字修正
2020/01/02 追記