Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
お持ちなさい あなたの望んだ その星を
この作品の原作はミュージカルなんだそうです。
そしてミュージカルに出演した主要キャストがアニメ版の声優をそのまま演じているという一風変わったキャストの起用がされています。
どうりでキャストの名前を見ても知らない人ばかりのはずです。
みもりんは当然分かりましたが、あとは声優経験のある方が少しと声優初挑戦の方ばかり…
声優は初挑戦の方も、本職は舞台やミュージカルなど「演じる」事に対してはプロの方たちです。
でも、自分自身で演じるのと、CVを演じるのではきっと肌感覚が全然違うんでしょう…
声優業はキチンとした専門の学習と、起用に値するだけの努力を積み重ねた上で、ちょっぴりの運を引き寄せられた方が役を演じるべき…というのが私の持論です。
何故なら現在の日本の声優人口は約1,400人弱…
この中で声優として確立している人はほんの一握り…
ましてや過半の人が声優業だけで生活できないほど厳しい業界だと聞いています。
だからこの生存競争の上に、現在の声優さんたちの地位は成り立っている訳です。
この過程って、凄く大切な事だと思うんです。
でも、今回はミュージカルが基になり、それがそのままアニメ化されているので、「俳優を声優に起用する」と言う状況とはちょっと違うと思います。
キャストに対する、あにこれの皆さんの評価を見るのが楽しみです。
この物語の舞台は聖翔音楽学園…トップスタァを夢見る少女たちが集う学園です。
物語の中心は、お互いがしのぎを削る第99期生の女の子達…
彼女たちは、毎年行わている演劇「スタァライト」の公演に向けリハーサルに余念がありません。
彼女たちの「スタァライト」は、在学中の3年間で演目が変わることはありません。
ですが、全く同じモノを求められている訳でもありません。
だから日々進化し続ける自分たちを役にぶつけ、演目そのもののレベルを向上させていく必要があるんです。
そして今回99期生が演じる演目はこれで2度目…
今年の演目内容を考え始める頃、イギリスの王立演劇学院からの転入生がやってくるんです。
転校生の名は神楽ひかり…この作品の主人公である愛城華恋の幼馴染だったんです。
神楽ひかりの転入を機に、愛城華恋が知った衝撃の事実…
それは、「スタァライト」に対する「オーディション」が行われていたということ…
この「オーディション」は自らの意志で参加するため、これまで秘密裡されてきたということ…
そして、このオーディションで頂点を取らないとトップスタァにはなれないこと…
こうしてオーディションに愛城華恋が参加の意志を表明し物語が動いていきます。
作風がどこかで見たことのあるような…と思ったら、この作品の監督である古川さんは幾原さんの直弟子だったんですね。
幾原さんといえば、「少女革命ウテナ」が有名ですよね。
そして幾原さんの手掛けた作品が「少女革命ウテナ」「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」で、その中で古川さんは「ユリ熊嵐」の副監督を務められています。
つまり本作品もこの路線の血が脈々と流れている訳です。
こうしてオーディションが開催される訳ですが…
まず普段とはみんなの顔つきが全然違う事に気付きます。
違うのは顔つきだけではありません。
「あたし再生産」から始まる一連のレビューは、真剣勝負そのもの…
輝きの頂点を求めているのは1人だけじゃない…
それぞれが明確な目標を意志を持ってオーディションの場に立っている…
けれど、頂点には全員分の椅子なんか用意されている筈がありません。
追い…追われる立場を繰り返しながら彼女たちの真剣勝負は激しさを増していきます。
目指すは、主役だけが立つことを許されたポジションゼロ…
でも、オーディションで総理すれば主役の座が手に入る…事態はそんなに単純ではありませんでした。
いえ、事態は単純だったのかもしれません。
結果に順応することより、最悪の事態の回避を優先すべきいう人の意志が働いたから…?
舞台に魅了され、舞台に生かされている舞台少女たりちがどの様な火花を散らしながらスタァを目指すのか…?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、「星のダイアローグ」
エンディングテーマは、「Fly Me to the Star」
どちらもスタァライト九九組が歌っています。
個人的にはエンディングのハモリが大好きでした。
1クール全12話の物語でした。
回を重ねる事に内容の密度が高くなるので見応えのある作品ですが、物語の展開が独特なので、好みが分かれそうな作品であるとも思います。
私はこの作品の作風は嫌いじゃないので、しっかり堪能させて貰いました…
というより、どちらかというと「好き」の成分の方が多かった作品でした。