シャベール大佐 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
題材に目新しさはあるけれど、同時に限界もあった歴史物アニメ
元寇における対馬の戦いを描く歴史アニメ。全12話。
物語は、流刑で対馬に着いた主人公・朽井迅三郎が、島の主である宗氏の姫・輝日から、蒙古軍を迎え撃つ戦いに加わるよう告げられる、みたいな感じで始まります。序盤を観たときには、歴史物アニメとしては珍しい時代ということで目新しさはあり、そこそこ注目していたのですが、やや尻すぼみという印象でした。
まず、描かれる戦い自体が小さな局地戦で、展開に躍動感がありません。物語内での経過日数もほんの短期間にすぎないので、そこで出会った登場人物たちが絆を深めることへの説得力もあまり感じらず、脇役キャラの掘り下げも十分ではなかったので、終盤にそれらの人物を使って、なんとなく名場面っぽい風景を描かれても、心に響きませんでした。史実の隙間に、もしかしたらあったかもしれない空想を盛り込む伝奇小説的な手法も用いていましたが、これもそれほど効果があったとは思えませんでした。
また、いちばんの問題点は戦闘シーンに迫力がなかったこと。特に中盤から終盤にかけて、最も頑張らなければいけないところで逆に質が落ちていて残念でした。古さを感じさせるためなのか、画面に常に和紙っぽい質感のフィルターが掛かっていたのも好みではなかったです。
キャラでは、ヒロインの輝日姫は、Lynnの声も含めて嫌いではなかったのですが、ちょっとチョロすぎる気もしました。
最後まで観終わって、あまり満足感のない作品でした。そもそも題材自体に、娯楽作品のネタとしては限界があったような気もします。