plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
歪みを背負った子供の末路
可愛い絵だがサイコホラーみたいなジャンルの作品らしい
劣悪な家庭環境で育った子らと倒錯的な依存関係で生活する日々を描く
■毒を以て毒を制す
序盤の印象はといえば、外部から来る害意に対して
主人公がより強烈な闇深さで押し潰す
さながら遊☆戯☆王の序盤のような作品なのかなという印象をもった
しかしそれは序中盤にすぎず
話が進むにつれ次第に主人公自体の闇、業の深さが
およそ主人公とは言えないほど酷いものであることが露呈していく…
■大人に対する不信、嫌悪
作品に登場する悪の象徴が「大人」であることが多い
しばしば大人は汚いなどの大人に対する嫌悪のセリフが登場する
しかし話が進むほどに嫌悪していた側、虐げられていた側が
汚いことに手を染めるようになっていく
■穢れは伝染する……
ということなのだろうか
大人から受けた悪意の影響を、子供が成長するにつれ受け継いでいく
作品のテーマとして最後に横たわっていたのはそれだったようにも思える
店長の偏愛は太陽君に注がれ、太陽君の偏愛はしおちゃんに
叔母さんの狂気はさとうに、さとうの狂気はしおちゃんに
唯一…しょうこの良心は、あさひに継がれたのだろうか
■論理的であるということ
サイコな作品、狂気を描く、であっても
登場人物は論理的な思考をもっていた
さとうがどうしようもない苦い感情を論理的に思考し
それが嫉妬であることを突き止めるシーンなどはとても人間的
だからこそ捻れた歯車が起こさせる行動が人間の狂気と言える
しおちゃんも前半はお人形に過ぎないキャラであったが
終盤では自己の利益のために悪事を容認し、それを明かした
自ら道徳を捨て、彼女もまたサイコになってしまった
~まとめ~
あまりみないタイプのジャンルだったので振り返ってみると興味深い作品だった
しかし視聴してて楽しいとかいうタイプではなく不安を煽られるタイプ
(部分的には太陽君の狂いっぷりとかは笑うしかなかったが)
後味がすっきりするわけでもなくショッキングなシーンもあるので
なかなかの変人向けな作品だとは思う