おぬごん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ゲームを知らなくても楽しめる良質ラブコメ。ゲームを知ってたらもっと楽しめるゲーム回顧録に。
「ミスミソウ」「でろでろ」などの押切蓮介のビッグガンガン連載作品が原作
連載当初から大人気で2013年にはアニメ化が発表されていたのに、スクエニ編集部の杜撰な権利管理の影響もあって原作の終わるタイミングでようやくアニメ化に辿り着きました
主人公(作者と同年齢)と、アーケードゲームを通じ主人公と仲良くなった2人のヒロインが小学生時代の1991年からスタートし、アーケードゲームや家庭用ゲーム機の進化とともに高校生になるまでのラブコメ模様を描いた作品です
ゲーム以外に取り柄はないけど人に優しく無自覚イケメンな主人公ハルオ、無口系ツンデレヒロインの大野、大野と対をなす健気なヒロイン日高の3人の造形、ゲームをメインに据えながらも青春を感じさせるストーリー、対照的なヒロイン2人の心情描写のニヤニヤ感がとにかく見事
当時のゲーム事情や溢れんばかりのゲームネタももちろん本作の魅力ですが、本筋がしっかりとしているため
ゲームを知らなくても十分に楽しめる作品になっていると思います
このあたりは多作で速筆で人生経験も豊富な作者の力量を感じずにはいられません
しかし、もちろんゲームネタを知ってたらもっと楽しめること請け合いです!
私は1990年生まれですので、作中のゲームネタのほとんどは「懐かしい」じゃなく「へ~」だったのですが、
それでも当時の事情やネタを知ることができて面白かったですね
第1話でアーケードゲームの1プレイ料金が50円だったことに驚いたり、バーチャルボーイを欲しがる爺やに笑ったりw
ハルオが高校生になる終盤あたりからは分かるネタも多くなってきて違ったたのしさがありました
友達のプレステを起動した時、コントローラーに触れた時の「これがプレステか!」は自分を見ているようでしたw
(私はセガサターン派ではなくSFC→N64だったのですが)
私より上の世代で実際にゲームセンターで格ゲーに興じた世代にはこの上なく刺さる作品だったのでは
※追記
そうそう、このアニメの音楽担当、下村陽子なんですよね!!
何を隠そうストⅡの音楽を担当されたゲーム音楽家で、他に「ライブ・ア・ライブ」「キングダムハーツ」そして私の一番好きなゲーム「スーパーマリオRPG」の音楽を作曲されています
ゲームファンに「ゲーム音楽家を5人あげて」と言ったら、マリオやゼルダの近藤浩治、ドラクエのすぎやまこういち、FFの植松伸夫に続く4人目に名前が挙がってもおかしくないくらいの人気作曲家です
EDのやくしまるえつこの名前を久々に見た時も驚きましたが、放送前の情報で下村さんの名前を見た時はそのこだやりへの驚きとニヤニヤが止まりませんでした
原作が完結したこともあり「2クールで完結までやるのかな?」と思ってたら、
最終回はめっちゃ良いところで終わって続きはOVA(+Netflix配信)だと!?
う~ん商売が上手い……
~ちょっと長いストⅡの話(長いので折り畳み)~
{netabare}
前述のとおり私は1990年生まれ(89年生まれの学年)
ストⅡは私の世代にとっては筐体でなくスーファミのゲームで、「お兄ちゃんが持ってるゲーム」でしたw
ただ小学校1年くらいの頃(96年)は家庭用の対戦ゲームもあまり多くなく、誰かの家でやるゲームと言えば
マリオカート、ぷよぷよ、ボンバーマン、そしてストⅡの4択だったような覚えがありますw
桃鉄は時間がかかりますし、ポケモンが本格的に流行り出すのももう少し後ですからねw
そのためストⅡは少し下がる我々の世代でも「義務教育」みたいなところがあり、クラスの男子にはそれぞれに持ちキャラがいて、ストⅡが強い奴、特に圧倒的に強い友達のお兄ちゃんなんかには持ちキャラがそのままあだ名になっていたりしましたw
「ベガのタケ(たける君)」「ザンギエフの兄ちゃん」みたいなw
ちなみに私は他の子が使ってなかったダルシムでガチャプレイをしていましたw
ストリートファイターが今でも格ゲーの代名詞として愛されているのは、こうした家庭用ゲームとしての普及や「お兄ちゃん」の影響も強いんじゃ無いかな、と私は思っていたりします
先日「列島警察捜査網」の再現CGが完全にストリートファイターだと話題になりましたが、ストⅡを持っていなかった私でも、このCGを見て即座にキャラと必殺技の名前が出てくるくらいには脳裏に刻み込まれています
ストⅡってそういうレベルの名作で、だからこそこの漫画のような作品も成立しうるんですよね
本当に偉大な作品です
余談の余談ですが、この作品のガイルはソニックブームを「ファネッフー!」と発音するそうですね
……「アネッブー!」だろ(答えの無い議論)
{/netabare}