World さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
テーマと設定の相性200%
シビラシステムという設定が素晴らしい。犯罪係数の計測は、昔から散々転がされたネタだし、現実世界をコンピューターが管理している設定にも既視感がある。
ただ、それらを組み合わせて無理なく調合している。
しかも、その2つの設定が無理なく合わさって、より深みが増している。
そんなディストピアな世界。主人公サイドと槙島サイドの2手に分かれて話が進んでいく。
そこで素晴らしいのが、両視点ともに芯がぶれていない点だ。
主人公サイドは、シビラシステムに懐疑的になりながらも、友を奪われたという共通項を頼りに行動していく。
槙島は、シビラシステムに囚われる事に否定的で、この世界に絶望しているが、人間の可能性を追い求めている。
槙島の魅力は、哲学チックな言動や華麗な身のこなしもそうだが、何より何だかんだで人間臭かった点だろう。
結局、こんな世界は嫌だ。自分の存在が否定される世界は嫌だ。という、少年が抱きそうな些細な苛立ちから、哲学という武装をして、使命を自分に科せていったんじゃ無いだろうかと思う。
私達からすれば、シビラシステムに支配されている世界は病的だし、槙島の感覚はある意味正常だとさえ感じる。だから、見ていて不愉快にならない。
まさに、狡噛、常守と槙島は戦うべくして戦ったのだと、納得できる。
ただ、常守と狡噛より、槙島の方がキャラが立っていたという点だけは、少しだけ気がかりではある。
それでも、ストーリー、設定、演出等全てにおいてハイレベル。 非常にオススメの作品だ。