World さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
落差で魅せる作品
最初の印象からの落差を楽しむ作品。
ほのぼのからのシリアス、鬱、からの感動という、最近の作品を見ればまぁまぁありきたりなストーリー展開なのだが、その落差はFUZIYAMAレベル。
ここまでの落差を、伏線を張りながら演出したのは流石だと感じた。
基本的に鬱→感動は楽。それっぽいことを言わせて、自己犠牲解決でOK。
ほのぼの→感動も楽。それっぽい悲劇系エピソード挟んで、解決でOK。なんなら登場人物が死ぬだけで成立する。
でも、ほのぼの→鬱→感動はかなり難しい。それを、無理なく伏線も回収して行うのは素晴らしい。
ただ、結局何?と少しだけなってしまった。
後は貴方で考えてください!のスペースが多過ぎて、見終わった後の余韻があまりなかった。
すげぇ!すげぇ!終わり!って感覚でした。
でも、凄い事に変わりは無いので普通にオススメです。
2018 10/6
もう一度全て通して視聴しました。微上方修正します。
1話1話区切って見るより、一気に見た方が遥かに面白い作品ですね。
話のテンポが悪くなりそうな部分は、殆ど最後に切って、後は脳内補完してくださいってスタンスだからかもしれません。
後、物の見せ方がとても秀逸でした。
これは、シャフト作品全般に言える事かもしれませんが、物と場所を関連付ける事によって、その場所全体を映さなくてもどこなのか分かるように工夫がされています。
その為、絶対にあり得ないようなデザインの家具や構造になっていたりしますが、それによって無駄な部分を極力省くことが出来ているので、テンポが良いです。
又、キャラそれぞれにも割り当てられた色とアイテムがあるので、上記と相まってとても分かりやすいです。
キャラに関しても、上方修正しました。
この作品は、おそらく、おそらくですが、着地点を決めてからその内容を考えていったのだと思われます。
終わりをかっちりと決めておいて、それに見合う内容にしていく。といった形だと思います。
というか、設定考えてからキャラクター動かしたらこうなりましたって作り方だったらもう天才過ぎてヤバいです。
で、その作り方だと、キャラが薄くなりがちなんですよね。
終わりを想定して動かすので、都合の良い様に動きがちだし、要所要所も動かされてるように見えてしまうことがよくあります。
でも、この作品のキャラクターは、自らの個性と感性で動いていると感じることが出来るので、共感する事ができます。
この難解なストーリーで、個性を出すのは相当難しいです。
素晴らしいと思います。
これから視聴する方は、なるべく一気に見ることをオススメします。