「STEINS;GATE 0 [シュタインズ・ゲート・ゼロ](TVアニメ動画)」

総合得点
95.0
感想・評価
1487
棚に入れた
7466
ランキング
4
★★★★☆ 4.0 (1487)
物語
4.0
作画
3.9
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

β世界線から真のシュタインズゲートへ…「エル・プサイ・コングルゥ」

この物語は、2011年に放送された「STEINS;GATE」の後進に位置する作品ですが、素直に「続編」とは言い難い作品です。
1期を視聴した前提で記載すると、1期23話の本編ルートが改変されて生まれたもう一つの世界線が#23βでした。
本編#23のタイトルは「境界面上のシュタインズゲート」でしたが、#23βのタイトルは「境界面上のミッシングリンク」でしたから。

この物語の舞台はβ世界線…世界線の収束という巨大な壁を前にして紅莉栖の救済を諦めた世界線です。
α世界線の記憶を持っているのはオカリンただ一人だけ…
物語は紅莉栖の死から4か月経ったところから始まりましたが、最初にビックリするのは変わり果てた岡部倫太郎そのものでしょう…
戦闘服である白衣を身に纏わず、中二病全開ないつもの口調の一端すら覗かせないんです。
例え世界線が変わろうと、岡部 倫太郎が鳳凰院 凶真であることは揺るがない事実の筈なのに…

こうして本作品の放送が始まった訳ですが、やはり岡部 倫太郎に違和感を感じます。
2011年に1期が放送されてから7年間、「岡部 倫太郎=鳳凰院 凶真=痛々しい中二病」という図式が身体の隅々にまでしっかりと刷り込まれているのですから…

倫太郎が意気消沈するのも理解できます。
あと1回頑張ったら紅莉栖に届いたかもしれない…
例えば、あと1回が無理でも10回だったら成功したかもしれない…
そう思うのも仕方ありません。
自分の意志で紅莉栖救済の幕を引いたのですから…

そんな倫太郎の前に現れたのが、ヴィクトル・コンドリア大学のレスキネン教授です。
きっかけはセミナーへの出席だったのですが、そこで展開された理論はかつて紅莉栖が提唱していた「人の記憶をデータ化して保存する」モノだったんです。
それだけではありません。
人の記憶や感情、心をベースに構築された人工知能「アマデウス」のデモが行われた訳ですが、倫太郎にとっては驚愕の事実だったでしょう…
スマホのアプリ化されたアマデウスとは、紅莉栖が来日する前の記憶をベースに構築された紅莉栖そのものだったんですから…

でも、これがα世界線とは異なる世界線である証とも言える出来事が次々と起こり始めるんです。
紅莉栖の存在の有無が、これほど歴史を改変させるなんて…

それでも、それぞれの世界線で共通している部分に気付くのに多くの時間は必要ありませんでした。
倫太郎がこのβ世界線で生きて行こうと決めたのはまゆりを…そして紅莉栖との約束を守るため…
でもその決断が新たな決断を生み…それが導き出す答えが収束点に辿り着く事象を目の当たりにするのです。
そして、その収束点で待ち受けるのは…1期同様全身を切り裂かれるような出来事…
苦悩に満ちた倫太郎の叫び声がかき消されて…

何のためにα世界線を捨ててこの世界線に縋ったのか…
何のために過去を封印したのか…
全ては繰り返さないため…そのために細心の注意を払っていた筈なのに…

ここからは怒涛の展開の目白押し…
感情を押し殺してなんかいられません…
激しく感情同士がぶつかります。
その選択は…心に消えない傷と疲弊を刻み付ける事を知っているから…
でも、本来の自分を取り戻して欲しいから…

そしてここからは気の遠くなりそうな繰り返し…
その無限とも思える繰り返しを支えるのは執念だけ…
その先で待っていた奇跡の場面の数々は私の涙腺を決壊させるには十分過ぎました。

「制御コードのパスを受理せよ。デア…アルテ…ヴュルフェルト…ニヒト…」
「先輩!鳳凰院凶真のことよろしくお願いします!」
「紅莉栖…GO!」
「ラボメンナンバー002 椎名まゆり オペレーションアークライトを完遂させろ」
「ママの彦星様、信じたからね、必ずママにまた会わせてくれるって」
「エル・プサイ・コングルゥ」

こんなやり取りの途中に「hacking to the gate」が流れるんです。
もうどんだけなのよ~ToT

オープニングテーマは、いとうかなこさんの「ファティマ」
エンディングテーマは、Zweiさんの「LAST GAME」と、今井麻美さんの「World-Line」
いとうかなこさんの曲は鉄板なのでただただ素晴らしいだけ…
今回はエンディングの2曲もお気に入りの曲でした。

2クール全23話の物語でした。
流石シュタインズゲート…物語の内容も構成も申し分ありません。
1期を視聴した人は相当ハードルが上がっていた筈ですから…
それでも涙腺が崩壊するシーンがいくつもありました。

でも、全23話とは少し中途半端感があるのと、まだ倫太郎がやり残している事があると思うんですよね。
円盤の方には未放送話1話が封入されるそうです。
全ての真実が明らかになるのはその未放送話なのか…それとも新たな展開なのか?
期待値MAXで次の情報を待ちたいと思います。

投稿 : 2018/09/30
閲覧 : 554
サンキュー:

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