おぬごん さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
シュタゲガチ勢専用
名作「シュタゲ」ことSteins;Gateの続編ゲームが原作
無印のアニメはあにこれでもトップクラスに評判ですが、私も大好きです
今回のアニメ版はゲーム版の内容にドラマCDの内容やオリジナルエピソードも加えて再構成しているようで、シュタゲガチ勢の友人は毎回唸っていました
突然ですが、続編の製作を前提としておらず綺麗に完結した作品に続編を作る場合、いくらかパターンがあります
① 前日譚(ex.スターウォーズ、Fate/Zero)
② 同時間軸のif展開、パラレルワールド(ex.エヴァンゲリオン、まどかマギカ)
③ 後日譚(ex.BORUTO、花のち晴れ)
あとは作品内時間軸の空白の時間を埋めるという手法もありますが、こちらは短編向きなので割愛
個人的に原作ともリンクさせやすく作品の世界も広げてくれる①は好きなんですが、②と③は無理やり続きを作った感を感じてしまいがちです
あと②の難しいところとして、原作を半ば無かったものにしてパラレルワールドを描いてしまうため、続編が面白すぎてもダメでも「原作は何だったのか」となってしまうおそれがあるんですよね
直接繋がっている①と③と比べて原作とのリンク、原作の立て方が難しいと言いますか
この「シュタゲ0」は②ですが、世界線を飛び回る作品の構造もあり無理やり感は無く自然ですし、原作とのリンクも容易ですね
というかこの原作からの分離と原作への再合流が「シュタゲ0」のメインストーリーになっています
とここまで続編としての正当性を語ってきましたが、面白かったかというとまた別で…
最初は懐かしさを感じ、その後やや停滞するも1クール目後半からグッと盛り返してきて「やっぱシュタゲ面白いなあ!」と思ってたりもしました
ただこのシュタゲ0、岡部がストーリーの目的を見定めて動き出すまでがめちゃくちゃ遅いんですよね
基本的にこのゼロの岡部はずっとうじうじグダグダしていて応援・共感できないんです
しかもそれでいて、失敗や行き詰まりの展開にまあ芸が無いため2クール目はかなりマンネリに
{netabare}展開に困ったらとりあえず武装兵登場って感じでした{/netabare}
また原作のシュタゲって、SERNとか第3次大戦とかハッタリの効いた壮大なストーリーを展開していましたが、
実際に舞台になるのはほぼ秋葉原だけですし、登場人物も非常に少なくて、いい意味で「閉じた」コンパクトな世界が描かれていたんですよね
外の世界は極力描かず話にだけ出すことで、こちらに壮大さをイメージさせてくれていたわけです
ところがこのゼロでは、アメリカやロシアといった敵の実像や大戦中の未来などを描いちゃうんですよ
そしてこれが陳腐極まりない
ハッタリだから良かったシュタゲの世界観が実際に描かれることでボロが出て、崩れていくのを感じてしまいました
あとは実質的に原作の岡部と紅莉栖が作品にいないため、原作の2人(ダルを加えて3人)の掛け合いが好きだったのもあり日常パートの魅力も失われていました
まあとどのつまり、このゼロからは原作にあったエンターテイメント性が大きく損なわれているんですよね
シュタゲガチ勢の友人は絶賛していましたので、シュタゲを隅から隅までやり込んで、シュタゲの全てを愛している方なら楽しめる作品なんだと思います
ただ私のような「アニメシュタゲは名作!」ってレベルでは十分に楽しめないようです
〜余談〜
シュタゲガチ勢の友人と話してたんですが、シュタゲ以降の志倉千代丸は
シュタゲで稼ぐ→シュタゲ以外でコケて散財する→シュタゲで稼ぐ→シュタゲ以外で(ry
のループに陥ってるように思いますw
そろそろシュタゲの貯金ではなく新たな弾を当てて欲しいところです