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退会済のユーザー さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
説明しないことの魅力
幻想的で、ノスタルジーで、哲学的でもあって、宗教が持つ本来の魅力にも溢れている名作。
世界観が素晴らしい。
独特な文化を持ちながらも、きめ細かい生活風景の描写のおかげで、没入感があって馴染みやすく、全体的に洗練されている。
音楽も上質で、作画は今の時代から見れば当然、粗さもあるが、丁寧に描かれている。
贖罪、通過儀礼、死生観など、重苦しいテーマを扱うので、観終わったあとは、とても精神的に疲れたが、心のどこかに開放感を感じて晴々しい気分にもなった。
いわゆる、カタルシスというやつだろうか。
本作は、物語が蒔いた全ての謎に言及して詳しい説明をしているわけでは無いので、人によっては、「意味不明」と無慈悲な評価を下すこともあるだろう。
しかし、謎を敢えて全て説明せず、考察の余地を残す事は、視聴者のインスピレーションや、哲学的価値観を強く刺激してくれるし、そこが本作の魅力の源だと思う。