鸐 さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
着眼点が面白いってどういうこと?
1話でずっとストップしてた作品の一つです。
放置の理由ですが、
1.能力バトルものは見飽きた
2.見せ方がボカロ曲につけられたMVや物語シリーズのように凝りすぎていて見づらい。
3.セリフが長く、大事な情報(どんな物語なのか)がわからない。
これらを総合した結果、厨二病を拗らせたイタイ作品と、そう思った為です。
しかし、レビューや感想を読んでいると、「発想が面白い」や「クリエーターに向けた作品」というコメントを多く見かけます。
どちらも1話視聴時点では全く感じなかった感想です。
もしかしたら断言するには早すぎたのかもしれない。そう思いました。
視聴を再開すると、なるほど、3話ぐらいから話が見えてきて色々考えた上で作られた物語なのだな。と思いました。
そういえば、このアニメはあおきえいさんが監督されていますね。
Fate/Zeroも視聴当時、1話から全然先に進まず、あえてよくわからないまま見ていたらいつの間にか続きの気になるアニメになっていましたし。
喰霊零も1話を無かったことにしたうえで2話が作られていました。
そういう作風の人で、1話に固執してはいけなかったのかも。
6話まで見終えたとき、皆さんが言っている「発想が面白い」の意図をつかむことが出来ました。
例えば、
平面では現れたと言えないからやはりリアルな人間の姿なのだろう。
そのアニメやゲームを知ったものが彼らに対面したら、どのような感想を抱くのだろう。
彼らが持っている能力は制限なく使えるのだろうか。
現実世界へ影響は出ないのだろうか。
選ばれたキャラクターが登場するのであれば、どのような基準があるのか。
と、それっぽく理屈立てているあたりに面白みを感じます。
この面白みは、オタク二人が結構真面目にもし現実に好きなキャラがいたらを話し合っていて、傍から会話を聞いている私は、「面白そうなこと考えてるじゃない。だったらこうしたらいいかも!」と語りたくてしょうがない。そんな感覚です。
しかし誰もどうやってキャラクターを呼ぶかは考えていないでしょうね。
6話時点で既に考え切れていないボロが出てしまっているようです。
物語にするときにこんなキャラがいたら面白いかも!と軽率に変わり種を入れたのでしょう。結果として、最初に考えた設定との齟齬が生まれてしまっています。これは一例ですがこのような部分を見つけてしまうと、物語として完結を考えたとき、こんなにスケールの大きい物語どうやって決着つけるつもりなのか、不安です。
では、もう一つの楽しみどころはどうでしょうか。
この作品のレビューや感想を読んでた時によく言われていたもう一つの要素。「クリエーターに向けた作品」についてです。
主人公が昔は絵を描いていたが、今は何らかの理由で筆が止まってしまっているという設定ですので、既にいくつか励ましやちょっと厳しいセリフが登場しています。
例えば2話のメテオラのセリフ「修練を一度止めれば得た技量は倍の速度で錆びていく」
私自身にも覚えがあり、ほんのちょっと心が凹みました。
3話では、プロの作業を食い入るように見ていた主人公。
アニメやゲームのキャラクターを介して、プロの仕事を見つめ、イラストレーターとしての道を切り開くことが出来るでしょうか。
成長物語として盛り上がってくれればいいなと思いました。
2クールものですので、まだまだ序盤ですが、1話以降は結構テンポよく進みますし、見づらいということもないのでもうちょっと追いかけてみようと思います。
22話コンプリートです。全22話ですが6話がピークで大団円と感じたのは13話でした。後半話数では気持ちの良い展開にも熱くなる展開にもなりませんでした。
最初から無理のある設定だったのかもしれませんね。