えたんだーる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ウォーリー……、じゃなかったツシマヤマネコをさがせ(笑)!
漫画原作は未読です。
史実としてあった文永の役(ぶんえいのえき)において、その戦端を開いた対馬での戦いを描いた部分がアニメ化されています。
元寇の折に実際に対馬で流人(るにん)が戦ったと伝える史料は存在するらしく、ストーリーはその史料などの内容に基づくフィクションといった感じですね。物語の舞台の一つである金田城(かなたのき)については、その城跡が史跡として残っています。
基本的に蒙古襲来時の合戦のお話ですので、流血や人死にのシーンはたくさんあります。苦手な方にはお勧めできません。
主人公は鎌倉から流人として対馬にやってきた元御家人(ごけにん)である朽井迅三郎(くちい じんざぶろう)、ヒロインは対馬の地頭代だった宗(そう)家の姫である輝日(てるひ)といったところ。
迅三郎は義経(ぎけい)流という兵法の使い手のようですが誰が伝えたんだぜ、義経流…。
地元の武士、流人、そして律令時代から対馬にいるらしい防人(さきもり)の末裔の他、一般島民を加えても蒙古の大軍の前では圧倒的少数で、そんな中を生き延びるために「一所懸命」に戦う姿を描いたお話になっています。
謎のフィルターがかけられたような特殊な撮影(と呼ぶべきなのかな、まあコンピューターで処理していると思いますが)で独特の質感の画面になっていました。私は大丈夫でしたけど、気にする人はいるかも。
原作ではアニメ化された部分の後、九州本土での合戦の話になるらしいです。主に博多近辺での攻防戦になるわけですが、歴史的にはこちらの方が良く知られていますね。
そういうシリアスな話なのですが本作には「ツシマヤマネコ」ノルマみたいなものがあるらしく、毎話画面のどこかに現れるツシマヤマネコの姿があったのでした。まあ、続編があっても対馬が舞台ではなくなってしまうからもう出てこないでしょうけど(笑)。
ちにみにタイトルですが、30年くらい前に『ウォーリーをさがせ!』という絵本が流行しました。各ページ群衆が描かれた見開きの絵の中に隠れているウォーリーという人物を探せ、っていう感じの絵本です。
(↑きっと、若い人は知らない。)