「劇場版 フリクリ オルタナ(アニメ映画)」

総合得点
63.8
感想・評価
60
棚に入れた
231
ランキング
4143
★★★★☆ 3.4 (60)
物語
3.0
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.6
キャラ
3.3

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ネタバレ

きつねりす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

そこまで悪いとは思わない、むしろ分かりやすくていい

終了ギリギリのタイミングで劇場へ。ぱっと見た感じネガティブな感想が多いけど、個人的にはなかなか楽しめた方かと思います。
今作に出てくる主要な仲良し4人組はタイプの全然違う4人で、それぞれキャラが立っているというところが大きい。主人公・カナはこの4人の関係をいつも一緒にいて、何でも話せる仲だと思っていたけど、実はそれぞれに大人な一面、思い描く夢、家庭環境と隠していた本音があって、それらにぶつかっていく度に気持ちを突き動かされる。しかし何度でもまた前を向き直す強さを持っている彼女は自分の思うベストの行動へと自分を動かしていく。そこはやはり青春ものだなと感じました。
全体で6話という構成となっており、挙げるとするならば、大人っぽいヒジリーが主役の2話「トナブリ」とカナの恋心を描いた4話「ピタパト」が個人的には好きでした。大人ぶっていても最後は年相応の感情を見せる聖。自分にはまだ早かったと「異性を好き」という思いに区切りをつけるカナ。この2本には思わず唸ってしまいました。
ただ、この年齢特有の鉄板ネタである恋愛は2話・4話以外はほとんど出てこず、ストーリー全体としては「女同士の友情」が大きいものに感じました。(それなのに2話・4話が好きとか言ってるなんて他の映画見てこい!って感じですが)1話のペットボトルロケット工作にしろ、3話の陰ながらの夢の応援にしろ、なんか友情が根底にあって微笑ましい。そして5話・6話では友達とは何か?という問いに自分なりの答えを見つけるカナ。やはり無印版と同様、こちらも成長が描かれているような気がします。だいぶ無印よりスカッとしてる感じで見る分には分かりやすくて良かったです。
音楽に関しては印象的な場面で印象的な歌割りを行っていた無印と比べた感じ、音楽は若干後ろ気味な感じもします。ムードの背景といった感じで、ピロウズがガンガン鳴ってる感じではなかったです。それでも前作からの引用もあって胸熱な部分もあったので、やっぱりピロウズだな、とは思いました。
もう一度本編について。
ずっと続くと思っていた今までの日々(1話)が、各ストーリーの中において日常レベルで「変化」したり「ずれ」が明らかになっていく(2話~4話)。そして大きなレベルでは、フリクリという作品独特の突飛な設定の前に日常が崩れ去ろうとする(5話)。カナとしては「世界」といえども、それは今を生きる自分の周りのことだけでできていて、その中で生まれる感情を元に宇宙という大きなスケールでハル子たちが並行してドンパチしていると思えば、無印よりはハル子が第三者的存在になっていた気がします。
そもそも無印は主人公が男の子だったので、ハル子が直接憧れの異性として意識され、密接に関わる大きな存在になっていたとも言えます。今作オルタナは同性でそれほど年齢も離れていない(ように見える)のでハル子はカナの感情の引き立て役に回ったとも捉えられるような立ち位置でした。
しかし最終話ではその引き立てが結果的にカナたちの「いつも通り」を守ることになり、めでたしという形で幕を閉じます。一方その反動でハル子は割を食う形になってしまい・・・というところから次回に続くようです。
上で述べたように続編プログレはこの作品とダイレクトに繋がっているように描かれていたので、また早いうちに見に行こうと思います。

投稿 : 2018/09/27
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サンキュー:

3

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