おぬごん さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
珍しい題材ありきの安易な合戦劇
鎌倉時代の蒙古襲来・元寇を描いた漫画が原作
タイトルのアンゴルモアはノストラダムスの大予言に登場する世界を滅ぼすとされる恐怖の大王の名前で、その語感のとおり「モンゴル」を意味するor由来するという説があります
(20世紀末に小学生以上だった人はみんな知ってるでしょうけど念のためw)
<元寇について軽く。長いので折り畳み>
{netabare}
元寇は1274年(文永の役)と1281年(弘安の役)に元(モンゴル帝国)とその属国の高麗(朝鮮)からなる軍勢が日本に攻め入ってきた侵略戦争で、鎌倉武士の九州北岸での決死の防衛と神風と呼ばれる暴風雨により2度とも元軍の撃退に成功、しかしその対策と負担が鎌倉幕府の滅亡に繋がった…という日本史上の大事件です
2001年の大河ドラマ「北条時宗」の印象が強い方もいるかもしれません
この作品で描かれるのは元寇の緒戦、1274年文永の役における対馬の攻防戦です
…あれ、元寇の主戦場って九州北岸じゃ? それより北の対馬が舞台ということは…
{/netabare}
この作品で描かれるのは伝説的な国防の前哨戦で起こった、壮絶な負け戦です
まあよくある「戦争に散った人たちのこと、時々でいいから…思い出してください」って感じの作品ですw
対蒙古の捨て石として対馬に流された罪人や運命に翻弄される地元の人々が、圧倒的勢力に地の利や知恵で立ち向かうも終まいには圧倒的兵力差の前に蹂躙されていくわけですが…う~ん……
正直言って、全体的に安っぽいというか、安易なんですよね
テンプレめいた単騎無双の主人公も罪人たちもヒロインの姫も、小学校で習うレベルの鎌倉時代の標語「一所懸命」の多用も、{netabare}壇ノ浦から落ち延びた御年96歳(笑)の安徳天皇{/netabare}も、終盤のばったばった死んでく罪人たちも、いきなり出てきて喋り出すサメも、「はい対馬ですよ~」と言わんばかりにやたら出てくるツシマヤマネコも……
ぶっちゃけ「まだ漫画で描かれてない元寇を題材にしたら『キングダム』みたいに売れるんじゃね?」みたいな狙いありきで作られたんじゃ無いかと疑うレベル
前半の合戦バトルをエンターテインメントとして魅せる力も、終盤の作品の主題を見せる熱意も感じられませんでした
作画では和紙や絵巻のように画面に皺をかける演出が特徴ですかね
ただ全体的に動きが少なく、アニメの戦争あるあるの棒立ち兵も多く残念でした
OPはオリジナルメンバー2人が長崎市出身のストレイテナー
昔から大好きなバンドなんですが、まさかテナーがアニメのOPやるなんてな~w
題材が面白いのでちょっと期待してたんですが…期待外れでした