ニワカオヤジ さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 1.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
時をかける代償に台詞は棒読みとなった少女
厳密には原作ではないですが、原作小説は既読。
原作は筒井康隆が少年少女向けに書いたもので、あまりに大人しい文体と内容の短編で、筒井康隆の作品の中で名作扱いされることはないものです。
その原作の主人公の、姪が主人公となったのが本映画で、原作と同じようなストーリー展開だけど今風に上手くアレンジしてありました。
ストーリーは非常にオーソドックスなタイムリープものです。あにこれのレビューで、SFだけど青春ものっていう組み合わせが意外、といった評価がいくつかありましたが、元々タイプリープSFって青春ものが多いし、SFと青春ものって全く別のくくり方であるので重なっているのが普通だと思うんですが…。純文学かつ青春もの、みたいな感じで。
原作との伏線で、{netabare}叔母の芳山和子の職場に飾ってある女子高生時代の写真が、文庫の新装版「時をかける少女」と同じ構図だったところは面白い試みだと思いました。{/netabare}
ただし、2018年現在にアマゾンで文庫を検索すると、表紙が本アニメ映画のポスターと同じになっていました。登場人物が違うんだし、さすがにこれは無いのではないだろうか、角川書店よ。
映像は背景も、人物がよく動くのもすごく良かったです。貞本義行らしさはほとんどなかったけど。
それにしても主人公を初めとして台詞の棒読みはどうにかならなかったのか。すごく良いシーンも台無しなところが多々ありました。萌え系みたいなのはさすがに不要ですが、自然な演技のできる声優さんにして欲しかったです。