ものと さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
2人の男女が織りなすヒューマンドラマ
ラブストーリでもなければ男女の友情話でもない。ヒューマンドラマ、と表現したら良いのかな。一言で表現することが難しい二人の関係は、二人の選択の連続で繋がった、かけがえのないものでした。
冒頭の葬式のシーン、ここからこの結末へと動き出す物語が始まります。
自分の中で他人の思考を決めつけて他人との関わり合いを避けてきた「ぼく」と人を愛し、愛され人との関わり合いの中で生きてきた桜良。
正反対の2人がひょんな偶然から仲を深めていくのですが、この仲を深めていくまでの描写がとても良かった。不自然なまでに距離を詰めて遊びに誘いまくる桜良と振り回されながらもまんざらでもなさそうな「ぼく」。男女の仲になりそうでならない。おそらく自分たちでもこの感情が”好き”なのか”友情”なのかわかっていなかったのではないかと思います。
それが時が経つにつれ尊敬しあえる恋人以上の大切な相手なのだと、二人は自分の心をに整理がついてきた最中に起きた、悲しい事件・・・。
あまりに唐突な、あっけない結末に見ていた自分もかなり動揺しました。
ここで冒頭につながるのか、と。
その事件から数日後、気持ちの整理をつけた「ぼく」は桜良の家にお香典を届けに向かいます。(ここの立ち直りまでの心理描写をもっと描いて欲しかった・・・)
そこで桜良の母から渡された”共病文庫”を見て「ぼく」は憧れていた桜良になるために、自分の殻を破って様々な行動に出ていきます。最後は1年経って変わった春樹がはじめての友達となった恭子と共にお墓参りをして物語の幕は閉じます。
とまぁ最後の駆け足感は否めなかったものの、二人の関係が深まっていく過程の描写(すこしドキドキするシーンもありつつ)やご都合主義ではない、どうしようもない現実の理不尽さをうまく描き切った作品だなと思いました。あと個人的には王道の感動ラブストーリーかな?思っては裏切られるということが作中でなんどもあって、展開の読めない映画でもありました。
また見に行こうかな・・・