タンクマ さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ところどころ雑に感じる
なんかなぁ、最後駆け足気味だったのが否めない気がします。
途中まではまだマシな方だったのになぁ。
物語の流れ的には納得いってるし、そもそも原作の方は好きなんだけど…
劇場アニメの方は説明不足な箇所が多すぎたと思います。
例えば主人公の心理描写。他人に注目されるのが嫌で、他人の評価はすべて自己完結させている「僕」君ですが、如何にしてそのような心情に至ったのか。
その全てが省かれてしまっている。
別にただの読書好きのコミュ障ってことでもいいんだけど、それだと徐々に
成長していく「僕」君の姿への感動がなくなる。
心情変化をテーマとしていたなら始点をちゃんと示してほしかった。
{netabare}一番駄目だと思ったのは最後の通り魔に殺されるシーンですね。ほんと映画館で「は?」って声出そうになりましたもん。このエンディングのせいで僕は自分を納得させるために原作買いました。
原作の方では「僕」君が「この期に及んで僕はまだ甘えていた」といったことを言っていて、病気を患っていようと死というのは等しく扱われ、唐突に訪れるものである、だから今を大事にしていかなきゃいけないっていうテーマが見えるんですよ。
でもこっちだと死んでから「僕」君が一週間引きこもって気持ちに整理つけました、で終わらせちゃってますからね。
いやほんと、なにやってんですか。そんな描写で済ませるならなんで通り魔に殺させたんだって話ですよ。普通に病死で終わらせていればまだ丸く収まった方だと思うんですよね…
原作の方ではちゃんと「僕」君の心理描写があったと言いましたが、それでもちょっと納得いってないんですよね。
そもそもとしてテーマが噛み合ってないというか…
死の平等性というテーマと登場人物の心情変化というテーマに接点があまり見当たらないんですよね…
なにも一つの作品につきテーマは一つにすべき、ってわけじゃないんですけど、だからといって闇雲に混ぜ合わせていいわけでもない。
唯一関連してると思えるのがタイトルの「君の膵臓を食べたい」って一言ですね。君のようになりたい、という思いと彼らの関係性から出来上がった一言。万感の思いって感じで良かったんですけど、なんかそこにしか接点が見当たらないから「それ言いたかっただけじゃね?そのためだけに桜良ちゃん殺されちゃったんじゃね?」としか思えなくなります。
しかもそれが言いたいだけなら通り魔の流れ必要だった?って心底思いました。やりたいことやるだけじゃなくて、もうちょっとテーマをうまく絡めて物語整えてほしかったですね。キャラが魅力的に感じられただけに余計に残念。{/netabare}
長くなりましたが、最後に一言。
桜良ちゃん可愛かったです。(だからあの終わり方が余計ショックだったんですけどね…)