こまたち さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
テンプレにテンプレを重ねた堅実な作品
2013年放送のロボットアニメ
全24話(+1話)
謎の地球生命体ウルガルと全地球防衛軍との戦争を描いた作品。地球軍の切り札的存在であるアッシュとそれを操る5人の残念パイロットを中心に物語は展開される。残念パイロットってなんぞや?と思ったそこのあなた。そうまさにこれが本作最大の特色。個々の能力は高いのに連携はまるでとれない。そして性格・趣向に難がある。他作品であれば絶対にビシッと決まるセリフが全くもって決まらない主人公。少し優しくされたらすぐ告白をしに行く塩辛が主食のおデブちゃんなどなど。どこかパッとしない。そんな彼らのやり取りを楽しめるか、彼らのどこかアニメ的な人柄・性格を許容できるかが本作の評価を分けるポイントかも。
ストーリーは極めて堅実な構成。可もなく不可もなく。ラストに向けて盛り上がるというよりはラストまでコンスタントな面白さを貫いていた。最終回もこの作品の終わり方としてはふさわしい幕引き。ごくごく普通の作品だった。ただここまで普通の面白さを貫徹できたことには最大限の賛辞を贈りたい。
作品の細部設定もロボットアニメとしてはテンプレートそのもの。遺伝子操作された子供、覚醒、機体に喰われるパイロットなどなど。キャラデザが同じであるという理由もあるがどことなくSEEDやファフナーぽさはある。しかし素材の活かし方が全く違う。本作は全体的には少しくらい雰囲気を持っているが、それとは対照的に主要人物たちのやり取りはどこかライトでコミカル。そのギャップの演出が本作の最大の魅力になってるのかもしれない。というわけでやはり、冒頭に書いたようにキャラが好きになれるか、キャラのやり取りを楽しめるが評価のポイントになってくる。
結論からいうと私的にはすごーーく微妙だった。もちろん全く面白くないわけではない。雰囲気の演出としてはあり。ただどこか寒い。明らかに狙っているというわけでもない。ましてやギャグに振り切っているというわけでもない。なんだろう、ネタが微妙にずれているのかな。ここまで考えると単純に合う合わないの問題なのかも。これは私なりの所感ではあるが、ノリが一昔前のハーレムアニメのそれ。だからどかかうすら寒く感じるのだろなぁ…。
ただ登場キャラは結構好き。性格がちょっとアニメっぽ過ぎてきつくは感じるが…。未だにこのモヤモヤ感が拭えない。
戦闘シーンに関しては最初は結構引き込まれた。良質な作画に色鮮やかな機体配色。そしてなんといっても本作最大の見どころである連携戦闘。5つの機体ごとに各々の役割を持たせ、連携して戦闘に挑む―。今までありそうでなかったこの斬新さが光ってましたね。後半に行くにつれてマンネリ化や使いまわしの戦闘が続いたことは残念ではあったが全体的な印象としては極めて良好。
残念な部分は2点。1つは奇抜さや思い切り、斬新さの欠如。良作であるが傑作とは評価しえない-。原因はテンプレと過去の遺産にしがみつき過ぎたのが原因。もう1つは活かせる設定をいくつか放置してしまった点。記憶の消去や主人公と皇女の過去譚など、活かせる素材はいくらでもあったように思える。個人的に面白かったのは遺伝子提供者が皇女さまだったという点。皇女さま、一体いくつなんでしょうね?もちろん年齢の話。主人公たちと同年代と思いきやまさか…ですからね(笑)そこ突っ込むのも作品としてはアリだったんじゃないかな?
以上。
ちなみに1話が面白さのピークだったりする。逆に言えば1話がロボットアニメのお手本のような素晴らしい出来。ギルクラ、ビックオーダーに続く1話最高アニメとして脳に刻み込まれました。