白セリ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
シナリオ、演出が衝撃的なアニメ
ヤンデレ、エロ、流血、百合……
これでもかというほど属性を詰め込んでおいて物語が破綻していない良質なサイコホラー
しかもこの作品で最も「サイコ」なのが主人公という……
人を選ぶ内容ではありますが、耐性さえあれば、かなり楽しめるシナリオです。
登場人物の心の葛藤、描写が丁寧で、各キャラそれぞれが信念・思惑を持って行動している様子がよく伝わります。
また、声優の演技は言うまでもなく、このアニメは演出面が本当に素晴らしい。
人の狂気や苦悩、喜悦、悲哀を最高の芸術で表現していると思います。
否応なしにお話の中へと引き込まれ、時間が経つのも忘れて毎話、没頭しました。
胸が締め付けられるような辛い場面も、とても強く脳に刻みつけられています……
特にこれまでで私が印象に残っているのは九話のEDですね……
ある程度その展開を予想できて身構えてはいたものの、Reonaさんの儚げな劇中歌と相まって、そして、残酷なまでに丁寧な作画で描かれていて、気付けば涙を流し、1日経った今もふと思い出してはベッドに身を預けて放心しています……
そのくらい、衝撃的でした。
思い出に残る良いアニメだと思います。
エログロに耐性をお持ちの方は是非視聴してみてください。
────ここから最終話について────
最終話を見終わって。
思わず、えぇ…(困惑)と漏らしてしまいました。
救われたのは主人公のさとうちゃんだけで、周りの人間は概ね悲惨な結末を迎えました。
せっかく前の話でさとうちゃんとしおちゃんが胸の内を吐き出し合って、本当の意味で相思相愛になれたというのに、結局はさとうの一方的な、自分勝手な「愛」の押し付けで終わってしまいました。
手前で勝手に納得して、押し付けて、死んで。
愛する人を、自分が犠牲になってでも生かしたいと思う気持ちは分からないでもないですが……
残されたしおちゃんは、「さとちゃん」という呪いを背負って、一生を個人で自己完結してしまった閉じた世界で生きることになってしまったしおちゃんが、あまりにも不憫で、不憫で……。
どうせなら、二人で一緒に死ねば良かったのに……と、思わずにはいられません。
主人公ただ一人にとってはHAPPY ENDでしょうけど、
物語としてはBAD END、そんな作品でした。
途中までは凄く楽しめたし、まあこのENDも最悪ってほどでもないので、個人的には星4評価かな。
これからは、原作の漫画の方はまだ続いているようなので、そちらの動向を楽しみに見守りながら、このハッピーシュガーライフという作品を応援し続けていこうと思います。