こまたち さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
知名度は低いが傑作
2000年放送のロボットアニメ
全25話(+EXエピソード1話)
謎のエイリアンと人類の戦いを描く。エヴァンゲリオンと物語の構図が近く、扱っているネタも他作品からの借り物が多いパッチワーク作品ではあるが、作品全体の出来はかなり良いもに仕上がっています。
本作は伏線をてんこ盛りに散りばめる、いわゆるエヴァ系作品に分類されるが視聴を途中でやめたくなるような難解さは皆無。むしろ次回が楽しみに感じるくらいで、一度見出したらもう止まりません。
本作の切り口は2つ。1つは少女とその少女にのみ心を通わせるエイリアン(妖精くん)との交流。もう1つはそのエイリアンに復讐心を抱く主人公の心の変化と葛藤。ダークサイドの主人公ってなかなかに珍しいもの。まずその斬新さや独特の描き方がツボでした。どこか愛くるしい妖精くんも好みど真ん中。少女に関してはただただかわいそうでしたね。そんな絶妙な関係性の三者と周囲の交流が本作の見どころのひとつ。心情変化の描写がほんとうに見事で、微妙な心の変化にきっと誰でも共感を覚えられるはず。それに加えて物語全体に関わる伏線の考察も回を追うごとにより楽しめるようになっています。”エイリアンとは何ものなのか。どこからきて、どこへいくのか”終始そんなことを考えさせられます。エイリアンの真実が語られる回はさすがに涙腺が緩みました。
隠れた名作と言われるにふさわしい作品だとは思うが残念な部分も。
結局Mr.Xは何がしたかったのでしょうね。どう考えても辻褄が合わない行動をしている。どうもここが納得できないんですよね。また上層部とXの関係性も不明瞭なうえ、エイリアンのことを誰がどこまで知っていたのか、なぜ秘匿していたのかも一切語られていない。考察の余地を残したと言われればそれまでだが、どうにも腑に落ちない。過去の回想エピソードを一話入れて欲しかったなぁ…。
あと主人公もちょっとばかし問題。死んだ彼女に容姿が似ているだけで、少女の面影をかさねるのはさすがにいかがなものか。錯乱までしてるし。もっと凝った設定あるのかなと考察していただけに残念。それが物語の進行上重要なファクターだったりするわけだから余計にね…。もう少し何か欲しかった。
以上。
今も色あせない傑作。未だにスパロボ未参戦なのが信じられない…