cabinmild さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ウケたのは時代か? ちょっとだけ作品分析。
以前から名前をよく聞く作品でしたが、視聴してみてビックリ。実に平凡的な作品という印象です。もちろん悪くはない、悪くはないんですが、あにこれの点数一つとっても「評価の割には」という感想を抱いてしまいました。
思うに、その世界観と主人公の設定の組み合わせがヒットした要因ではないでしょうか。
【世界観】原作小説はネット連載を経て2009年頃に出版されたとのこと。まったくの夢物語ではなく、きっとそうなるであろうという「来たるべき未来」を絶妙な塩梅で形作ったところに、敏感な当時の10代は共感したのかもしれません。年代的にも第一世代のデジタルネイティブの時代です。
【主人公】キリトくんは {netabare} 運動神経が少しいいくらいで、性格もいい人には違いないですが、聖人ではない。生い立ちにはやや難があるようですが、ゲームにのめり込むようになった理由づけくらいのもので、誰しも抱えている悩みの範疇です。人付き合いが不得手というのも中学生にはさもありなん。 {/netabare} 等身大の少年です。
この【世界観】と【主人公】の組み合わせに絞ってみれば、本作は「普通の人間が好きな世界の中で努力して幸せをつかむ時代」がくることを予感させます。リアルタイムで本作を視聴した少年/少女が「ネットに繋がって世界が広がる→自分がヒーローになれる世界を見つけられる」と夢見たことは、想像に難くありません。
以上、作品の内容と時代背景の関係の分析。以下、作品の中身。
ストーリーがことさらに素晴らしいということは感じません。結末や最後の敵も物語開始時点から予想できるものでしたし、打倒したときの爽快感・達成感もそこそこ。
個々人によって「このキャラクターが好き!」といったことはあるかと思いますが、特別心情描写が優れているとか、キャラの個性を確立させる演出がうまいとも感じません。
凡作だなぁとは思いつつも、大ヒット作であることは事実。そんなワケで、その要因の分析に思いを巡らせてみたりした次第です。