Dkn さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
現代的な流行を感じたネット発のプロジェクト
ネットを中心にメディアミックスを重ねる[シャフト×新房昭之]が贈る「カゲロウプロジェクト」のアニメ版。
小説やコミックまで読むほどハマりませんでしたが、楽曲と画作りがキャッチーなので雰囲気で観られます。
オムニバス形式で最後に物語が収束するのも1クールで綺麗にまとめた印象です。
端的に説明すると絶対的な存在に作られた世界で超能力を持つ少年少女が仲間と共に運命に立ち向かうセカイ系。
本作は楽曲・小説・アニメと各ルートが存在していて、断片的に情報が散りばめられて理解が及びにくいですが、
2011年2月に初投稿された楽曲からコンテンツを追っている理解が深いファンにとってはもちろん問題ないです。
ネットの人気から派生していったムーブメントなので動作機構そのものを理解するにはネットの盛り上がりから
追うことがこの作品を紐解き解釈する一番の近道でしょう。
青少年少女達の鬱屈した想いや感情はこちとら忘れて何十年経ったか定かじゃ無いので共感するのは難しく、
どちらかと言えばOP「daze」、ED「days」、各話の挿入歌などを含めた格好いい楽曲中心で楽しんでいました。
本編以外にも「メカクシティレコーズ」に収録されている楽曲で小説「カゲロウデイズV -the deceiving-」の
副題にもなった「夜咄ディセイブ」は、数年経った今でも高い人気を誇る中毒性の高いロック調の曲。
米津玄師などネットを中心に日の目を見る才能がある現代でボーカロイドはポピュラーな存在になってきました。
「情報がアニメで完結しないものを放送に乗せるな!」と頑固親父のように一蹴出来ないのは、
新しいことを始めた人間が周囲から笑われる世の中で、そのチャレンジ精神を嘲笑う人間にろくな奴がいないと
私達は人生の中でいつか学ぶことになるからです。
メディアミックスの歴史の中に生まれた、新しい形でチャレンジ作とも言えるメカクシティアクターズ。
楽曲とシャフトの画作りを楽しめる本作はネット発の音楽と文字と映像を繋ぎ世界観を共有するアニメの歴史に
刻まれた画期的なコンテンツだったのでしょう。