Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
恋と青春の輝きだけを、ギュッと詰め込んだ物語。
「どうか加瀬さんが私の事を好きでありますように…。」
高校生の山田は、緑化委員の内気な女の子。
同じ学年の加瀬さんは、陸上部のエースで美人な女の子。
山田が植えたあさがおをきっかけに、言葉を交わしたことがなかった二人の距離が少しずつ縮まっていく。
恋と青春の輝きだけを、ギュッと詰め込んだ物語。
上記は公式HPのIntroductionです。
OVAでは、二人の距離が縮まり付き合い始めてからが描かれていますが、このIntroductionが二人の関係を最も適格に表していると思ったので引用させていただきました。
女子高生同士なので、ジャンルは百合になるのかもしれませんが、それだけでこの作品を敬遠すると後悔すると思います。
何故なら、その思いはどこまでも純粋で真っ直ぐで一生懸命だから…
たまたま相手が同性だった…ただそれだけのことなんです。
だから視聴して冒頭5分で分かります。
お互いが「好き」という気持ちをどれだけ大切にしているかを…
お互い付き合った経験が無いから、何もかもが初めてのことばかり…
だから勇気を振り絞っても一歩前に踏み出すのが堪らなく怖いんです。
これまでも自分の何気ない言動で無意識に傷つけているかもしれないというのに…
「嫌われたくない」この気持ちばかりが前面に押し出され躊躇してしまう…
でも、この気持ちって良く分かります。
誰だってこういう経験…あるのではないでしょうか。
だから本音を言うのだって怖いんです。
自分の本音はきっと我が儘…
我が儘を言ったら相手に迷惑をかけてしまう…
それが発端に嫌われてしまうかもしれない…
気持ちの堂々巡り…
でも、一歩進んだ先で見せてくれた二人の満面の笑顔…
とても眩しかったですよ。
そして高校3年生に必ず訪れるのが進路…
内気な緑化委員と陸上部のエースという立場の違いは、そのまま進むべき道の違いに直結しています。
自分を可能性を最も高めてくれる場所にいくのが一番であるのは、誰もが分かること…
でも、人の気持ちってそんなに単純じゃないんですよね。
好きって気持ちは時には可能性すら凌駕するんですよね。
女の子同士だけれどお互いが本気で好きな二人が導き出す答えは…
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。
作品の作り込み同様、とても綺麗に纏めてくれています。
約1時間弱の作品です。
尺が限られているため、贅肉を徹底的にそぎ落とした構成になっていたので、登場人物の心情が丁寧に描かれていたのも好印象でした。
しっかり堪能させて貰った作品になりました。