杞冬@あずさ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アイネクライネ
8月26日、9月17日。
この二つの日付を見て気づいた人がいたらすごい。
そう前者は「君の名は」で後者がこの「聲の形」です。
世間が君の名はブームで沸いてる時期に公開されたのが本作です。
本当に時期が悪かったとしか言いようがない。
そんな自分もなんだかんだ見る時間作れなくて見れなかった一人です。
NHKで放送されるとのことだったのでようやく視聴しました。
見終わった後は後悔しかなかった。
なぜ映画館で見なかったのかということを…
余談ですが、24時間TVの裏でこれやるNHKの最高に皮肉がきいててとても良きだなと思いましたw
原作は既読済み。
原作と比べると所々がマイルドになってかなり見やすくなっている印象。
特に小学校のとこはサクッと進んでいますが、
原作はもっとしっかりやっているので映画できついと思った人は原作は結構ハードかもしれません。
将也と硝子この二人の出会いは最悪でした。
将也はとにかく退屈が嫌いで度胸試しと称して危ないことをして退屈な気を紛らわせていました。
ですがだんだんと友達はついていけなくなり、
そんな時に現れたのが、「西宮硝子」だった。
いじめようとか思っていたわけでなく耳が聞こえない彼女の限界を、
好奇心を持ってしまった。
だがそんな楽しい日々は続くことはなく、立場が完全に変わってからようやく自分のしてきたことの重大さに気づく。
そんなキツイイジメ描写から物語が始まります。
将也と硝子は個人的にはとても似ていると思った。
二人とも全部自分の責任にして抱え込もうとするところなんかは特に。
そして最後には自らの命を断とうとするところも。
将也はずっと硝子の小学校の楽しい時間を奪ってしまったことをずっと後悔し罪の意識にとらわれている。
硝子は自分が入ってきたことでいろんな人の関係が壊され、自分がいることで不幸になると罪悪感にとらわれている。
そんな二人が一度死のうとしてもう一度生きなおそうとするのがこの作品一番大きなテーマだと思います。
人間描写がとても丁寧。
それでも主要の二人以外はあまり描き切れなかった。
そこは原作でしっかり補完できるのでそういった意味でも原作を読むのはおすすめです。
映画だとヒール役川井が選ばれていますが、
原作はぶっちぎりで先生がヒールとなっています。
原作読めばすこしは川井のことも理解できる…かもしれないw
なのでクズの一言で済ませず一度理解してあげようとして見てあげてください。
特に西宮のお母さんの話は見てほしい。
というか完全にクズじゃないと言い切れるのは永束と将也のお母さんぐらいなのものですしw
硝子役の早見沙織さんの演技がほんと素晴らしいの一言しかない。
聴覚障害の子の声がとてもリアルでびっくりした。
ほんと早見さんで良かったと思える演技でした。
演技の幅がめちゃくちゃ広くてすごいですよね、早見さんは。
音楽もとてもいいですね。
静かでとても聞いていて心地が良い。
君の名は万人向けで聲の形はすこし人を選ぶ作品かなと。
ほんと今となってはなぜ劇場で見なかったと己を糺す日々ですw
でも劇場で泣いちゃいそうだしこれで良かったのかもしれませんw
ストーリーもとても綺麗にまとめられていてとても見やすかった。
少しでも興味があるなら見たほうが良いと思います。
原作読んでいる人でも違った楽しみができますので是非に!!!