ヌンサ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
シェイプ・オブ...
視聴前から評判は数多く見聞きしていました。
曰く「テレビだったら辛すぎてチャンネルを変えていただろう、
劇場だと基本的に逃げることができないので、最後まで見ることができた」etc
京都アニメーションによる美しすぎる作画と背景。あまりにも隙が無さ過ぎて、実は少し苦手だったりします(^-^;
しかしその美しさがなかったら、最後まで画面を見続けることはできなかったでしょう。
現実だったら、世界の明度はきっと・・・。
小学生時代のエピソードに出てくる担任の先生は、ほぼ職場での僕でした(笑)。
小さいころ、教師に向いてるってやたら言われてましたけど、教師になってなくてよかった・・・社会のためにも。
{netabare}将也が硝子の耳元で大声を出すシーンを見て{/netabare}
佐村河内さんの騒動の時にも感じましたが、外見だけで判断できないハンデは逆につらいものです。
口の動きや気配・勘、あるいはたまに少しだけ音が聞こえる、などの理由で「本当に耳が聞こえないのだろうか」と少しでも疑われてしまう辛さは想像を絶するはずです。
「GANGSTA.」は"そこ"がメインテーマではなかったので、ニコラスは意図的に聞き取りやすいしゃべり方になっていましたが、硝子のしゃべり方は実際にハンデを持つ方に非常に近いものになっています。
今になって思うと、インクルージョン教育を選んだ人たちと同じ小学校に通っていたら、僕の差別意識(というか無知)はもっと早く無くなっていたと思わずにはいられません。たまたま僕の通っていた小中学校ではなく、
隣の小中学校がインクルージョン教育を選んだ人たちを積極的に受けれていたのです。
はっきり言うと僕は、小学生(加害者)→中学生(傍観者)→高校生(空気=いじめられていたわけではない)だったので、贖罪の意識は恐ろしくあります。"誰もが何かしらの罪を背負ってる"で納得するしかないのでしょうか・・・。
贖罪を扱った映画としては、最近見た「{netabare}マンチェスター・バイ・ザ・シー{/netabare}」を思い出しました。アニメでは「あの花」でしょうか。
終盤のかなりシリアスなシーン({netabare}病院で植野と硝子の母がもめる{/netabare})
で流れた音楽が、妙に前衛的で「良いのか、これで!?」と少し思ってしまいました(笑)
P.S. マリアの顔(^_^)に癒されました
↓参考音声ファイル(有料)
https://tomomachi.stores.jp/items/58313c2b99c3cdb5f200e807
・・・音声ファイルを聞いて、ものすごくショックを受けました。{netabare}世の中の創作物はすべからく障碍者を良い人に描きすぎている{/netabare}、と。その描き方は(無意識であったとしても){netabare}健常者と障碍者を対等に描いていない、{/netabare}恐ろしい言い方をするなら障碍者に対して「{netabare}健常者の迷惑にならないよう、謙虚に生きろ{/netabare}」という無言の圧力を加えている、と。るろうに剣心の{netabare}瀬田宗次郎が笑顔である理由{/netabare}なんかは(障碍の話ではありませんが)典型ですね。{netabare}確かにすべての創作物における"良い障碍者:悪い障碍者"は"9:1"、下手したら99%と1%かもしれません。{/netabare}これでは、とても"人間"を描いているとは思えません。少しずつでもいいので、この潮流が変わることを願いつつ・・・。