Mamo さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
心が抉られる、だからこそのカタルシスを味わえる
私は、人をいじめた経験、人にいじめられた経験を持っています。
だからこそ、一生忘れられない作品となりました。
まずは、この映画を作ったアニメ制作陣、キャストの皆様、ありがとうございました。この作品に出会えたことに感謝。
私はこの作品を映画公開二日後に見に行ったのですが、あまりにも良過ぎて見終わった後はしばらく放心状態になり、「聲の形ロス」から抜け出せなかったので原作をまとめ買いして一気読みしました。
いやー.....何回見ても良い作品ですなぁ.......泣
私は今回の地上波放送で5回目の鑑賞になります。
[はじめに]
物語序盤のいじめのシーン。
初見の時は、当時人をいじめていた事の罪悪感と、いじめのサイクルが自分に回ってくる恐怖を呼び起こされたみたいで、正直心地良いものではなかったですが、同時に、『聴覚障がい者と普通の人間とのコミュニケーションの壁』をテーマにしたこの作品を、「これは挑戦的な内容だな、面白い」と、つい魅入られてしまいました。
[キャラクター]
登場人物がみんな魅力的で、同時に皆それぞれ欠陥がある。
他人の目を見ようとしない、声を聞こうとしない、将也。
経験上から愛想笑いが癖になってしまい、自分を卑下してしまう、硝子。
本音、本気のコミュケーションしか取れない、永束。
自分が正しいと思い切ってしまう、植野。
自殺されることへの恐怖から姉の為に尽くすようになった、結絃。
自分の考える正義の下に行動してしまう、川井。
苦手な人と関わることに臆病な、佐原。
変な正義感があり、つい首を突っ込んでしまう、真柴。
人間の不完全な所が要所要所に滲み出ていて、見ていて「何でそう言っちゃうかなー!」と思っちゃうけど、その分リアルに人間味が溢れていて、多少の行動が気に食わなくても何処か愛らしいキャラクター達で、群像劇として見てもとても良い内容だったと思います。
[作画]
川の流れや水の波紋、気泡までも繊細に描いていて、やっぱり「流石京アニや!」と思わざるを得ませんね。
[音楽]
劇伴の牛尾憲輔にも、敬意を称したい。
ピアノの内部にマイクを仕込んで、より立体的で内面的な音楽を作ろうだなんて発想、脱帽しました。
[声優]
配役、演技、ともに完璧すぎるでしょ!
個人的に入野自由さん、悠木碧さん、そして早見沙織さんのお芝居が凄すぎてもう.....!何回泣かされたかww
将也=入野さんの演技で特に良かったのは、
例の西宮の自殺のシーン、「西宮柵、柵持って.....!」のところ。
声だけで余裕がないのがとても伝わってきます。
結絃=悠木さんの演技で特に良かったのは、
「へぇそりゃムカついただろうな」の笑い方や、動物の死骸の写真を泣きながら剥がす時の「どうすれば良かったの....」の声が物凄い演技とは思えない臨場感があったりと、毎回見るたびに「声優さんってすげーな」と思います。
早見さんは.......もう全部良かったですよね。言ったらキリないのでカット。正直「早見さん神すぎない?」という感想で十分かと。
[物語]
ストーリーの内容がとてもシリアスで重いから見てて心にずしっと来るモノがあるけど、それを乗り越えた分、最後のシーンはカタルシスを存分に味わうことができて、自分は劇中の将也のように一緒に号泣しました。
[こういう人におすすめしたい]
10代20代はもちろん、小学校の道徳の時間とかにもこの作品を見せてもいいかもしれません。
「自分に魅力がない」「人と関わりたくない」「死にたい」と思ったことがある人にこそ、是非見て欲しいですね。
少しは生きる希望を見いだせるかもしれません。
長文になりましたがともかく!
良いところをあげたらきりがない、とても素晴らしい作品でした!
やっぱり俺はこの作品が ちゅ、き!!