cabinmild さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
型破りの構成に挑戦。だが結果、器用貧乏に
作画◎。戦闘シーンは迫力満点で街並みの描写も細かい。さすがIGと思わせるクオリティです。
問題は脚本。きっといろいろやってみたかったんだと思います。結果あちらこちらに手を伸ばしすぎて失敗してしまったという印象です。
まず世界観が2軸あります。科学系とファンタジー系で「とある魔術の禁書目録」と同様です。本作ではそこに加えて、メインのキースを始め黒羽・リリィと主人公格が3人登場します。群像劇となるとただでさえ高い脚本力が要求されますが、さらにそれを2軸ある世界でというのが無茶だったのでしょう。それぞれのストーリーラインが上手く収束せず、散漫になってしまっています。これでは、キース・リリィと黒羽で2本別々の作品のほうがよかったのではということに。
※もしかしたらIGの先のヒット作「サイコパス」の脚本構成を拡張しようとしたのかもしれません。狡噛と常守( {netabare} 狡噛→キース/1人で因縁の相手を追い続けている捜査官、常守→リリィ/狂言回しの役割を備えた新人捜査官、とかなり設定が似ています {/netabare} )に黒羽を足したという見方ができます。
上記の複雑な構成のせいで、キャラ立ちも上手くいっていません。かろうじてメイン主人公のキースだけがなんとかというくらい。掘り下げれば面白そうなキャラクターも多かっただけに残念です。
ダメ出しめいたことを書いてきましたが、新しいことに挑戦するというクリエイター魂は感じます。次回作に期待したいと思わせる一作です。