たばこ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
長門を上手に掘り下げた良作映画
映画としての完成度は高く、素直に楽しめた。
今回の映画のテーマはずばり「長門の感情」である。機械的で、他を寄せ付けない感のある長門が、今作では実にかわいらしい女の子として描かれている。
改変前と改変後の世界における登場人物は大きく3つに大別される。
1: 前後で記憶を共有し、性格も同じ(キョン)
2: 前後で記憶を共有していないが、性格は同じ(キョン以外)
3: 前後で記憶を共有せず、かつ、性格も変化(長門)
である。その意味では、明らかに長門のみ異質である。それは、かつて、キョンのみを閉鎖空間にいざなったハルヒさながらである。どう考えても、長門はキョンのことが好きなわけである。だからこそ、「入部届け」なのである。長門が理性(キョンにヒントを残し、世界を戻すチャンスを残す長戸)と感情(キョンとたった二人で、文芸部員として時を過ごしたい長戸)の狭間で揺れ動くその過程が今回のテーマである。そういう意味では、今作は長門ファンにとっては垂涎ものというか、まさに「長門は俺の嫁」だったのであろう。
ハルヒは、アニメのみで、小説、漫画とも目を通してはいないが、今後この風呂敷をどうたたんでいくのかには興味がある。