たばこ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
小説でしかできないことをアニメでもやってのけた意欲作
このアニメ、実に癖が強いが、面白い。
通常アニメってのはその名の通り、「アニメーション」が強みなんである。つまり、漫画や小説ではできない「動き」の演出が本来のアニメーションとしての特徴であり、視聴者はそれを楽しむ。だから、逆に言えば、キャラはくどくどとしゃべったり説明したりする必要はなくて、単純に「動けばいい」のである。例えば、ドラゴンボールなんかがアニメと相性がいいのはそのためである。とにかく、動きで語る、キャラを動かして表現する、それがアニメの役割であり、面白ポイントなんである。
ところが、このアニメ、「動き」がほとんどない。いや、もちろんバトルシーンっぽいのもあるのだが、そこは全然面白くない。面白いのは、「言葉遊び」である。
登場するキャラ全て、実にまどろっこしくて回りくどい小説口調の、文語体のような話し方をする。こんなことしたら、普通退屈なアニメになるのだが、このアニメはなぜか見れてしまう。それが、作画やキャラ立ちに由来するのかは分からないが、なぜか退屈しない。
アニメなのに、不思議な読後感のある作品であり、あまり例の無い意欲的なアニメーション作品だと思う。