Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
踏切を待つ女の子たちの日常系オムニバス!
この物語の原作は未読です。
踏切待ちで足止めされる若者たちの日常を描いたオムニバス形式の短編集になっています。
踏切で遮断機が上がるのを待っている時間…
隙間時間とも言うのでしょうか。
こういう隙間時間を大切にできる人っていいなぁ…と最近思います。
日常生活の中で幾つかの偶然が重なってできた時間…
頭の中で計算された時間とやるべきことが当たり前のように流れていく中で、その流れをいわば強制的に遮断される時間…
その切り取られた時間の中で、物事を俯瞰してみたら違った切り口が見えるかもしれない…
回答に困っていたあの質問…こう返せば良いかもしれない…
時間と共にこれまでの思考も一時中断できるんです。
一旦足を止めることで新しい気付きがあるかもしれません。
ただ、私はそういう隔離された時間の中で、この作品で描かれているこんなにも沢山のドラマがあるとは思いませんでした。
普段の生活の中で、所謂開かずの踏切で立ち往生するケースが殆ど無いので…^^;
全12話の物語のうち、1話見切りが4話で、残り8話が2話で一つの話になっています。
青春の淡い物語…高嶺の花への憧れ…一緒にいるのが当たり前の日常、そして昔を懐かしむ物語…
中には笑いを狙った作品もありましたが、私が一番感じたのは「人って誰かと繋がっていたい」ということと「思いは生き続ける」ということです。
私もそれなりに年齢を重ねてきたからでしょうか…
一番のお気に入りは「都電こころ状」でした。
とある踏切で立ち往生した彼は、遠い昔、学生時代に毎日その踏切で立ち止まっていたのを思い出します。
それは、彼がどうしてもそうしたいと淡い想いを持っていたから…
時が過ぎてまたその踏切で立ち止まった時、人は何を考えるのだろうか…
そんな場所に行ったら…私も昔を思い出せるのだろうか…?
私には地元と呼べる場所はなく、生まれ故郷からだいぶ離れた場所を転々としてきたので、こういう場所があったことすら今は思い出せません。
だから、自分の宝物のような場所を持っている登場人物が羨ましかったのかもしれません。
主題歌は、駒形友梨さんの「トマレのススメ」
1クール12話の物語でした。
これまで私が過ごしてきた時間の中には存在しない空間での物語でしたが、しっかり堪能させて貰いました。
こういう方の力を抜いて視聴できる作品も大切ですね。