お茶 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ひたすら可愛い。
【見る前】
原作は未読で、森見登美彦の小説が原作であること以外は、何も知らずに劇場に見に行った。
【感想】
・キャラクター
まず、小学生たちが可愛い。
賢くて、勉強熱心で、オマセさんだけど、人の気持ちに疎いアオヤマ君が可愛い。
友達の内田くんも、内気で、ドジで、アオヤマくんよりも人の気持ちがわかる優しい男の子で可愛い。
ハマモトさんも、アオヤマくんのことが好きなのか、お姉さんにヤキモチを焼いたりして、すごく可愛い。
スズキくんも、好きなハマモトさんと一緒にいるアオヤマくんに対抗しようとしたり、最後にはハマモトさんに許してもらうために、一緒に戦ったりと、とても純粋な小学生だ。
妹に至っては、「お母さん(生き物)は、いつか死んでしまうことを知った」という、あまりにも可愛すぎる理由でアオヤマくんに泣きついている。
この作品に出てくる子供たちは、なんて純粋で、まっすぐなのだろう。
それだけで、心が洗われるようだった。
そして、物語の鍵であるお姉さんは、とても魅力的だ。
ミステリアスで、綺麗で、なによりおっぱいが大きい。
職業が歯科衛生士なのも、その魅力の一つかもしれない。
そんなお姉さんのお家にアオヤマくんが、初めてお呼ばれされてしまうシーンは、こちらも一緒にドキドキしてしまった。
アオヤマくんのお父さんも、とても素敵だ。
アオヤマくんの研究に、ほどよい距離感を保ちつつ、助言をし、アオヤマくんを決して子供扱いせず、1人の研究者として認めているようである。
ある種、理想の大人に見えた。
こんな大人になりたいものだ。
(アオヤマくんのお父さんは、仕事はなんだろう?研究者なんだろうか?劇中で描かれていたっけ?)
ハマモトさんのお父さんも、子供たちを研究者として認めているような口ぶりであった。
しかし、娘のノートを盗み見て、研究を横取りしてしまう。
そして、「子どもには危ないから!」と言って、子どもたちから「海」を遠ざけようとする。
相手が大人であれば、こんなことは、とても許されることではない。しかし、相手がまだ小学生であることをいいことに、自分の好奇心のままに森に近づこうとする。結局は、アオヤマくんたちを子供扱いしてしまう勝手な大人なのである。
しかし、それが当たり前で、現実に近い大人なのだろう。
この対比的な二人の大人を見て、大人の子供に対する言動を考えさせられる作品でもある。
・ペンギンとお姉さんの謎について
見終わってみると、ストーリーの主軸となるペンギンの謎は、とてもシンプルなもののように感じた。
なので、謎解きを楽しむというよりも、子供たちの純粋で真っ直ぐな可愛さ、お姉さんとのドキドキな時間を楽しむというモチベーションの方が、映画を楽しめるのではないだろうか?
謎が全て解かれていなくて、モヤモヤする!
という感想の方もいるそうであるが、パンフレットにあるアオヤマくんのメモを読むと、ある程度それも解消されるのではなかろうか?
私は少なくとも、よくわからなかった部分のうちの劇中で解かれている謎についてはそれで補完できたと思っている。
ぜひ、謎を解きたい人は、映画視聴後にパンフレットを購入されたし。
それでも、謎は謎のままの部分もあるのだと思うが、そうでないとアオヤマくんは今後の研究目標が失われてしまうので、それで良いのだと思う。
だから、謎の全てはアオヤマくんに任して、大人はややこしい事を考えずに、子どもたちの健気で、純粋で、まっすぐなところを見守る。
大人はどうあるべきかは、さておき、この映画の見方はそれで良いのではないかと思う。