イムラ さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
「とらドラ!」の功罪
<2024/5/26 追記>
自分の中で評点の基準を変えたので、修正レビューです。
(4.0→3.0 100点満点換算で50点)
今思うとテレビシリーズの半分くらいの尺の方がよかった気がしました。
つまり最初から映画だったら
<2018/8/18初投稿>
「とらドラ!」で成功した長井龍雪 岡田麿里 田中将賀の三氏が再結集して制作されたオリジナルアニメ。
オリジナルでこんだけの大ヒットというのはあんまりないですよね。
超超大人気作です。
主人公はじんたん(♂)、めんま(♀)
そしてあなる(♀)、ゆきあつ(♂)、つるこ(♀)、ぽっぽ(♂)を加えた六人の幼馴染が主要な登場人物です。
※あなるってひどいな 笑。海外向け英語字幕でどう表記されてるのか気になります 笑。
以下、重度のネタバレを含みます。
6人は小学生時代、超平和バスターズなるチーム?を結成して秘密基地で毎日のように遊ぶ仲良しさんでした。
{netabare} そんなある日、めんまが川に落ち溺れるという事故で亡くなってしまいます。
めんまを失った5人はそれからなんとなくばらばらになり、そして月日は流れ高校生に。
チームのリーダー的存在だったじんたんは高校受験の失敗などから引きこもっていました。
めんまの事故以来明るく積極的な性格は影を潜め、人目を避けるNEET生活。
そんなじんたんの目の前にある日突然、死んだはずのめんまが現れます。
めんまはじんたんと会話もするし、ご飯も食べるし、触れられる。
でもじんたん以外には見えないし、感じられない。
めちゃくちゃ実体と意識がハッキリしてるユウレイですね。
そんなめんまとの再会。
{/netabare}
その時からじんたんは変わり始め、時間が動き始めます。
{netabare}
他のメンバーも思春期を過ぎそれぞれの生活を送りながらも、めんまの事故の件、そして変わってしまった超平和バスターズのみんなとの関係性がそれぞれの心の中に澱のようにわだかまっています。
{/netabare}
そうしたそれぞれの思いや悩み、わだかまりがめんまの件をきっかけに一つ一つ解きほぐされていく。
そういう物語です。
というわけで泣くやろこんなんというプロットで、全アニメファンが泣いた!ぐらいの勢いの本作、私も感動しました。
だ・け・ど
そこまではまれなかったんですよね。
感動はしました。
でも乗り切れない自分もいました。
置いてけ堀。
「とらドラ!」はあんなに好きだったのに。
「あの花」は{netabare} 「死んだはずのめんまが鬱屈していたじんたんの目の前に現れる」{/netabare} という出オチの一発芸とすら思えてしまう。
というわけで以下、身勝手な批評です。
(おそらく超マイノリティ意見なので)
本作の特徴は登場人物一人一人の思いや悩み、葛藤を丁寧に描いてるとこ。
みななんだかんだひねくれてますし、相応の過去もあります。
それが少しずつ解きほぐされて時折感情も爆発させて。
こうしたところは「とらドラ!」も同じ。
「とらドラ!」は三氏の描きたいモノとも一致していたのでしょう。
気持ちの入ったアニメ製作でヒット作となり、同時に三氏はとらドラ!でこういうお話の作り方、持ってき方を成功体験として獲得したような気がします。
その経験を凝集させて作り上げたのが「あの花」(と私は思ってます)。そして超超大ヒット!
ただ、「とらドラ!」の場合、登場人物が大袈裟に号泣しても違和感ないんですよね。
私は「あの花」だとどうしても少し大仰に感じてしまう。
「とらドラ!」はキャラクターの個性がファンタジー並みに強すぎるくらい強く、それが物語の展開の激しさともマッチしているから。
「あの花」の人たちはみんな割と普通、その分物語の展開もおとなしめ、なのに感動する場面では極端に盛り上げるからちょっとついていけない気分になってしまう。
話を重ねるたび、ちょっとずつシナリオに無理を感じてしまう。
極端に言えば「あの花」の面々は私にはみな同じ顔に見えてしまうのです。
キャラは立ってますよ。
ただ思考回路というか、悩みの発想というか、匂いというか。
これは三氏の他の作品でも同じで、他作品もヒットしてますが、私は今ひとつのめり込めません。
「とらドラ!」→「あの花」→三氏の他作品と続く成功は、この手法の「功」の部分ですが、その枠から抜け出せないというのは「罪」の部分だと思うんですよね。
最後に・・・
偉そうなこと書いて本当にごめんなさい。