「ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)」

総合得点
75.8
感想・評価
266
棚に入れた
1228
ランキング
771
★★★★☆ 3.8 (266)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ペンギン・ハイウェイ

監督:石田祐康
キャラクターデザイン:新井陽次郎
脚本:上田誠
アニメ制作:スタジオコロリド
原作:森見登美彦


ペンギン・ハイウェイのレビュー欄に醜いものをみた。
子供に対し、持つべき人格を許さない人々だ。
彼らが子供に求めるのは、彼らが一方的に抱く子供的イメージ。
”女は弱いもの。男に頼らなねば生きていけない”的な考え方に近いものを感じる。子供は子供らしく振る舞えとは、ずいぶんである。
アオヤマ君は実在しないかと言われれば否だ。若くして立派な研究者であったり、或いはクリエイターであったりすることは、現実に珍しくはあってもファンタジーでない。ここに納得できないなら、もっと見聞を広げたほうが良い。アニメ観てる場合じゃない。
”アオヤマ君が人として嫌いだ”というなら、映画を視聴したうえでの”感想”として認められるが、映画鑑賞中、アオヤマ君に対する違和感に終始していたなら、上に描いたとおりだ。アニメ観てる場合じゃないぞ。
私には新作映画が公開して数日の内に鑑賞できた場合にルーティンと化した趣味がある。公開して数日しか経っていないのに軽薄に内容を叩く馬鹿によるアリガタイ感想文を拝読することだ。例えば、森見ワールドというフレーズを使う割には、今更アオヤマ君の性格に噛み付くような、高瀬川の如き底の浅さを見せる面白感想文など。満載である。
これは下手なシューティングゲームより楽しいものだ。”軽薄”が頑張って書いた感想文を瞬く間に論破、論破、論破。非常に爽快であるから、みんなもやってみたら良い。公開後数日限定の楽しみである。
原作小説を読めば簡単に涙してしまう私は相当にこのアニメ映画を気に入った。アニメ化に際する、その解釈やストーリーの纏め方に私は非の打ち所がないようにすら思えた。脚本、上田誠 氏に圧倒的感謝である。全体通して、原作を読んでいないような全くの初見さんに対して不親切な演出もなくはないが、整っていたと思う。アニメーションに関しても非常に楽しく観られた。人やペンギンの動きが良かった。お姉さんのおっぱいは常に、健全なままにエロかった。スタジオコロリド、石田祐康監督、その今後にも注目したい。
アオヤマ君、お姉さん、ハマモトさんまで含め、期待通りのキャラクターデザインで嬉しかった。いや、アオヤマ君とお姉さんは、既に小説の表紙に見せていた姿からギャップが無かったからともかく、ハマモトさんのがもう特に、私のイメージに合っていたのが喜ばしい。キャラクターデザインは新井陽次郎 氏。なんでも、専門学校卒業後ジブリに入社し、『借りぐらしのアリエッティ』や『風立ちぬ』等の制作に参加してきた人物だそうだ。ナイスジョブと言わざるを得ない。

「謎が謎のまま終わった」
「よく分からなかった」
とのレビューを見かけるけど、原作を読んだ、故にストーリー展開に対してある程度余裕を持ってついていけた者から言わせていただくと、本作は起こることに対しいろいろと説明はされていたよ。だから何回か観れば分かると思う。
アニメ版『打ち上げ花火〜』みたいな、何度観てもふわふわなもんではない。
まぁ、あらゆるモノが何故ペンギンに変わるのか、その原理を本作に求めてるのならば、その限りでない。

ちなみに、本作におけるアオヤマ君は小学4年生である。が、実は小学校3年生のアオヤマ君について書かれた『郵便少年』という短編、いわば前日譚が存在する。『ペンギン・ハイウェイ 公式読本』にも収録されるようである。
『ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語 (角川文庫)』にも収録されており、『郵便少年』だけが目当てであれば、こちらが安い。原作とあわせて、未読の方は是非。

…そういえば、ウチダ君独自の死生観が披露されることは無かったな。あれも印象深いから、そこはもう、原作で。ということです。

取り急ぎ、ここまで。

追記:アオヤマ君の部屋の机の左側には壁に取り付けられた棚がある。これの一番上には、かつて使っていたはずの郵便カバンと郵便帽が置かれている。短編を読んだうえでチェックしたい。

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それにしても2018年。
2016年には『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』
2017年には『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』(湯浅祭である。)
なかなか印象深いアニメ映画が毎年現れているが、今年、『リズと青い鳥』に加え、『ペンギン・ハイウェイ』が傑作アニメ映画郡に名を連ねた感がある。
いやま、私も網羅的に観てるわけじゃないからね、これらがすべて、ということではないけれども。
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○参考まで
「ペンギン・ハイウェイ」原作者・森見登美彦×石田祐康監督対談 一度断ったアニメ化オファーをOKした理由とは
https://s.animeanime.jp/article/2018/08/15/39478.amp.html

投稿 : 2018/08/25
閲覧 : 421

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