芝生まじりの丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
はじめ優良、終わりそこそこ、中身はまあまあ
最後まで視聴したため感想を追記。
これは漫画原作だと思うけど原作もこれで終わったのかな。まあちゃんとアニメで完結してくれる作品は好きです。
【舞台設定について】
設定としてこういう道徳観念のすれすれのところを扱うのは良かったかなと思う。あまり現実味がないキャラ設定が多いのは少しいただけないけれど。まあ主人公の物語開始時の({netabare}可愛い女の子一人家に誘拐して世話しちゃうっていう{/netabare})立ち位置はそこそこに現実的かつ非日常的でよいなと思う。スリリング系で(一応)ファンタジーじゃないアニメ、というジャンル自体大分久しぶりに見た気がする。
本当に最初の舞台設定の仕方はかなり好きな部類だと思う。
まあ結局僕はサイコものが好き、ということでしょう。てかアニメ界にサイコモノ少なすぎぃなんですよ。
【各部分の感想】
漫画とかにありがちだけど、最初らへんは日常回というか、本筋にそこまで関係しない話を絡めつつ、徐々に本筋を進めている感じで、それがこの作品の設定的に(日常と狂気のミスマッチがうまく演出できて)非常に効果的だったかなと思います。
ただ本筋に関しては最初の設定こそ個性的ではあるけれど、その後はなるようになる、という感じで、あまり意外性のある展開はなかった。結果本筋がメインになる中盤以降(7~11話くらい)は普通。主人公たちの過去話も特に独創的なところはない。
あと伯母さんの非人間的なキャラ設定は好きではない。
日常にサイコが介在するという展開だから面白かったけど、話が大きくなって完全に非日常的なハナシになってくるとその面白みはなくなってくるので。
序盤の皮肉なまでの演出のコントラストが良かったのに。また、演出も中盤以降は新奇さは薄れる。
あと、光星くんや先生についてもあんな濃厚なキャラ設定しといて以降あまり掘り下げがないという。ちょっとかわいそう。
最後の着地の仕方は、まあ良かったかなと思う。主人公2人が幸せそうで。
{netabare}あんな軽やかな自殺エンドはそうそうない。(これもまた時代だ、とか言っちゃっていいかなあ。){/netabare}
【総括】
舞台設定は結構独創的で良い。終わり方も結構良い。他は普通にまあまあ。
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5話まで視聴時の感想
※{最近アニメをあまり見ておらず、特にこの数年できたアニメをほぼ見てないのでなんかそういう人の視点になります。}
感情が演出やら諸々も駆使されて誇張されているのがまあ面白いところ。
キャラクタの狂人度合いが高すぎるのはあまり好みではないが、あそこまで過剰演出をかけられると嫌味がない感じもある。一話目の方は切り捨てだったけど、そのあとは狂人をポイで終わらせないのも良い。
漫画やアニメでありがちの現実にはほぼ見ないようなテンプレートなチンピラとか出てくるの、良い加減やめないかとは思う。
まあ、やっぱり現代アニメらしく絵の見せ方がうまいなあと思う。Ezo'laという会社は聞いたことがないし、これが初作品らしいし詳しいことは何も知らないが。まあなんかシャフトとかみたいな演出をもう少し嫌味を無くしてやっている。友人が最近のアニメは進歩していると言っていたけれども一面それは真実でもあるなと実感した。
サイコ系の話はわりかし好きな部類なので多分最後まで見られるんじゃないかな。
結構楽しみではある。
まあ良い感じにエンターテイメントなアニメではないですかね!
ただ、まあエンタメ以上にも以下にもならないという感じはある。
いくら作画が、演出が、展開のスリリングさが"進歩"したとして、書いている人の人間性、精神性が同様に進歩しているとは思えない。まあ単純に薄っぺらさが拭えない。
{netabare}【虐待について:エンタメに深刻に接しようとする人間の末路】
アニメ作品で虐待は非常に頻繁に取り上げられるが、原作者達はそういう場面に遭遇したことがあるのだろうか。もしそのテーマについて本当に描けるほどの経験、見聞があるのなら、作品をもっと親身に鑑賞しようと思うし、社会というのは随分腐ったところだなと思うのだが。無論1億人いる我が国の国民にそういう問題を抱える人間が一定数いることは想像するに堅くないが、一部の人間の風習を、多くの人間が(恐らく大した知識もなく)何かのの動機付けのためとかでエンタメの道具にしてしまうことは驚くべきことだ。安易に記号的にそういう設定を盛り込む精神は僕には理解できない。
まあ幸福にして不幸な境遇を経験せず見聞しなかった僕のような人間こそ少数派なのかもしれないし、原作者の人生なんて何も知らないのだけれど。
結局のところ物語の創造者には物語の知識、ノウハウ以上に現実を知らなければならないと思う。
{/netabare}