oxPGx85958 さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
南極まで行ってテンプレ女子高生アニメ
本作を見ていて、最近見た『ロケットガール』という2007年のアニメ・シリーズを思い出しました。女子高生たちが、こちらは南極、あちらは宇宙に向かうわけですが、民間プロジェクトゆえの難しさとモチベーションが描かれているという珍しい共通点があります。
そして、本作を見ていて、あちらが緩い作りであるのにも関わらず物語として楽しめたのは、宇宙および宇宙開発というテーマに正面から向き合っていたからだったんだなと改めて認識したわけです。それぐらい、この『宇宙よりも遠い場所』は南極および南極観測というテーマに正面から向き合っていないと感じました。
本作の物語は、プロジェクトを運営している大人たちの視点から描かれていた方がずっと面白かっただろうし、主人公たちが日本に帰ってから始まる越冬隊の活動もきっと興味深いものだったでしょう。でも、本作はそうはならなかった。
そうではない女子高生アニメとしての質は低くはなかったと思いますが、すでに似たようなものは山ほどあるわけで、目新しさはありませんでした。なによりも南極観測隊という舞台設定が女子高生アニメとしてのあり方に付加価値をもたらしていないという感じがずっとしていたのがもったいなかった。
それでも「おっ」と思った展開は2つありました。{netabare}シンガポールでパスポートをなくした(と思った)ときの対応のヌルさと、観測隊がうまく行っていないのではないかと気づいたときの不安。{/netabare}この2つには、テンプレ的な物語から外れた現実味が感じられたのですが、残念ながらその切り口が追究されることはなく終わりました。